食事強要の虐待など30件確認 徳島の村立保育所

 徳島県佐那河内村の村立佐那河内保育所で、吐き出した食べ物を食べさせたり、こぼした牛乳を紙片でかき集めて飲ませたりする虐待や不適切な保育が計30件確認されたことが2日、村への取材で分かった。村は保育士5人を近く処分し、保護者説明会を開く方針。

 5月に不適切行為が発覚し、村は7月に専門家に調査を依頼。了解を得た園児らから聞き取りした。その結果、2021~22年度で虐待事案が15件、発達状態をやゆするなどの事案が3件、絵本を読んでほしいという園児に「うるさい」と言うなどの不適切保育が12件あったと認定した。

 被害に遭ったのは元園児を含め少なくとも9人で、ほとんどが当時1、2歳。関与した保育士は20~40代の女性5人で、3人は現在も保育所に所属しており、うち2人は自宅待機中という。

 虐待には、感染症の症状がある園児と他の園児をキスさせる行為や、昼寝をさせない、しかる際にたたくなどの行為があった。無理やり食べさせた結果、食事の時間に動悸が激しくなり、泣き出す園児もいたという。

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