「最近にしてはマシだった」渋野日向子は2つのミスに悔しさ

スタートダッシュはならず。手応えのあるショットも出た(撮影/村上航)

◇日米女子ツアー共催◇TOTOジャパンクラシック 初日(2日)◇太平洋クラブ美野里コース(茨城県)◇6598yd(パー72)◇曇り(観衆3144人)

渋野日向子は前半3番(パー3)から幸先よく2連続バーディで滑り出した。長いクラブで右奥ピンの横3mまで運んだ1つ目に続き、4番ではフェアウェイの右サイドからバンカー越えとなるアイアンショットをピンに絡めた。

ティショットがわずかに左ラフまで突き抜けた5番からの3ホールも、いずれも5m以内のバーディパットが打てる理想的な展開。パッティングでわずかに打ち切れないシーンもあったものの、「すごく良かったんじゃないかと思うショットも多かった。グリーンもかなり仕上がっている分、今までの低いドローが出ちゃうと止まらないくらい。きょうは(比較的)高めのボールで止まってくれていた」と手応えもあった。

約5カ月ぶりとなる日本での試合でギャラリーの視線を浴びた(撮影/村上航)

飛距離のダウンやスイングへの悩みを抱える中、コース上ではチェックポイントをシンプルにすることでゲームへの集中力を高めようと必死だった。ターゲットに向かってしっかり構え、あとはフィニッシュを決めること。「よく分からなくなったら、深呼吸。すごい単純なことですけど…」。苦笑しつつ、序盤のチャンスメークにつながったことは喜ぶ。

心持ちの微妙な変化がミスにつながった(撮影/村上航)

そんな心持ちにわずかな乱れが出たのは折り返しの9番。右に曲げれば、レイアップでもセカンドで池が気になる右ドッグレッグのパー5。ティショットを左にミスして最初のボギーをたたくと、2バーディを奪い返した後半も左ドッグレッグの17番(パー5)で右にプッシュアウトした。「ドッグレッグの分、どっちかに行ったらセカンドが狙いにくいとか、17番だったら『2オンも狙えるから右に行くともったいない』とか、そういうことを余計に考えちゃって、自分で難しくしているのかな。ミスしたくないところでミスをしてしまったのが悔しかった」と振り返る。

「どういうスタートが切れるか不安も多かった。最近にしてはマシだったのかな。これだけたくさんのギャラリーさんに見ていただけているのは本当にありがたいこと」と約5カ月ぶりとなる母国での試合をかみ締めながら、4バーディ、2ボギーの「70」。いきなり伸ばし合いの様相を呈する初日を2アンダー46位で終えた。

ボギーフィニッシュの分まで2日目以降に取り返したい(撮影/村上航)

「これだけビッグスコアが出ているので、あと3日、相当頑張らないと。でも、頑張らないといけないところで、いつもスコアを落としたりというのをやってしまっている。なるべく『その一打』に全力を尽くして頑張りたい」。自らに言い聞かせるような様子で練習場へ向かった。(茨城県小美玉市/亀山泰宏)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン