日本を代表する自動車の賞「日本カー・オブ・ザ・イヤー」。1980年に創設され、2023年で44回目を迎えました。今年度は日本国内において発表された乗用車の34車種がノミネート。2023年12月7日、ノミネートされた34車種の中から日本カー・オブ・ザ・イヤーと部門賞が発表されました。当記事では、日本カー・オブ・ザ・イヤーとはどんな賞なのかを解説しながら、各賞に選ばれたクルマ、各車種の受賞の理由について、ノミネートされた34車種、上位10車種である「10ベストカー」について紹介していきます。
日本カー・オブ・ザ・イヤーとは
44回目となる今年度のノミネート車は、2022年11月1日から2023年10月31日までに日本国内で発表された全ての乗用車が対象です。
自動車評論家、ジャーナリスト、有識者からなる60名の選考委員による一次選考で、上位10台の「10ベストカー」を選出。
選ばれたクルマは、10ベストカー試乗会で二次選考を実施。12月7日(木)の最終選考会で選考委員による最終選考投票により、今年度のイヤーカー「日本カー・オブ・ザ・イヤー」が決定されました。
日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたクルマが日本メーカー車だった場合、海外メーカー車で最も多く得票されたクルマに「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」が与えられます。
日本カー・オブ・ザ・イヤーの部門賞とは
また、以下の条件に当てはまった事案や人物に対しては「特別賞」が授与されます。
日本カー・オブ・ザ・イヤー「トヨタ プリウス」
栄えある「2023-2024 日本カー・オブ・ザ・イヤー」には「トヨタ プリウス」が選ばれました。
トヨタ プリウスとは
トヨタ プリウスとは、1997年に世界初の量産型ハイブリッドカーとして発売された、トヨタの代表的なモデルです。
トヨタプリウスは、ハイブリッドカーの代表的なモデルとして、高い燃費性能と環境性能を兼ね備えた、エコカーの代名詞とも言えるクルマです。5代目となった2023年モデルでは、デザインや走り、安全性能など、あらゆる面で進化を遂げました。
「トヨタ プリウス」受賞の理由(原文)
ハイブリッド車のパイオニアであり、長く牽引役、推進役を務め続けたプリウスが、5代目にしてついにその殻を破った。ハイブリッド技術が一般化した今、もはやそのシンボルである必要はなく、自らブレークスルーを図り新しいフェーズへ移行したのである。
首脳陣からはコモディティ化を進める案も出たが、それを覆したのは開発陣の熱意。クリーンなクルマというだけでなく、愛されるクルマを目指した。
これまで空力性能最優先だったボディは、スタイリッシュなモノフォルムに大変身。Cd値では従来型に少し劣るものの、前面投影面積を減らすことでCdA値は従来型並みに抑えることに成功している。
その上で低重心化とロングホイールベース化を図り、動的性能の著しい向上を実現したことが高く評価された。操縦性はプリウス史上最も敏捷かつ正確なものに変貌を遂げ、スポーツドライビングが楽しめる。
インポート・カー・オブ・ザ・イヤー「BMW X1」
海外メーカー車で最も多く得票された「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」には「BMW X1」が選ばれました。
BMW X1とは、
BMW X1とは、日本で2010年から販売されている高級SUVです。全長4500mm×全幅1835mm×全高1645mmのコンパクトなボディサイズは日本の道路状況にも適しています。
2023年に登場した最新モデルでは、2.0Lのターボエンジン車とEV(電気自動車)仕様の「iX1」、さらにマイルドハイブリッドを装備したディーゼルエンジン車も追加されました。
「BMW X1」受賞の理由(原文)
日本市場に相応しいコンパクトサイズでありながら、BMWらしい動的質感の高さを実現。パワー・オブ・チョイス。つまりユーザーのライフスタイルに応じてBEV、ガソリン、48Vマイルドハイブリッド・ディーゼルの3種類のパワーユニットが用意され、そのどれもがハイレベルな走行性能を獲得している点が支持された。
補助金を含めればほぼ同一のプライスレンジに収まるインポーターの努力も見逃せない。
デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー「三菱 デリカミニ」
秀でた内外装デザインを持つ「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」には「三菱 デリカミニ」が選ばれました。
三菱 デリカミニとは
三菱 デリカミニとは、2023年1月に登場した新型軽SUVです。三菱の代表的なモデルである「デリカD:5」のキャラクターを受け継ぎ、「デリカミニ」の車名の由来にもなっています。
SUVテイストのクロスオーバー軽自動車であった「三菱 eKクロススペース」がベースとなっていますが、デザインの愛らしさやテレビCMなどで注目されました。
「三菱 デリカミニ」受賞の理由
近年イカついフロントマスクがブランド・ランゲージだった三菱が一転、愛らしく魅力的な表情を採用したことが評価された。しかも販売台数はekクロススペースの3倍強を達成。デザインが商品性の高さに直結する大切な要素であることを自ら証明してみせた。
同社にとってアイコン的存在でもあるデリカのモデル名を用いるだけでなく、外観面でも同じ世界観を共有した意義も大きい。
テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー「日産 セレナ」
革新的な環境・安全その他技術を備えた「テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー」には「日産 セレナ」が選ばれました。
日産 セレナとは
日産 セレナとは、1991年から販売されているミニバンです。現行モデルは6代目として2022年に発売されました。
現行モデルでは、ハンドルから手放しで高速道路を運転できる自動運転機能「プロパイロット2.0」をミニバンとしては世界で初めて搭載。
ライバル車が軒並み3ナンバー化する中、セレナは5ナンバーサイズのグレードを残しており、全幅を抑えたいというニーズにも応えています。
「日産 セレナ」受賞の理由(原文)
「セレナはモノより思い出」の公約通り、脇役に徹するための数々のテクノロジーが高評価を呼んだ。ミニバンでありながら高速道路でハンズオフ可能なプロパイロット2.0を最上級グレードに採用。空力面ではミニバンの弱点である横風に強い細部処理を施す等抜かりない。
5ナンバー枠に収めながらタイヤサイズを拡大したにも関わらず、従来型並みの室内スペースを確保。e-POWER用に新開発された3気筒1.4リットルエンジンに対する評価も高い。
実行委員会特別賞「ジャパンモビリティショー2023」
モビリティ社会または自動車文化の発展に貢献し、世の中で大きな関心を呼んだ事案である「実行委員会特別賞」には「ジャパンモビリティショー2023」が選ばれました。
ジャパンモビリティショー2023とは
ジャパンモビリティショー2023とは、2023年10月26日~11月5日、東京ビッグサイトで開催された自動車業界の枠を超えた新たなモビリティショーです。
参加社数は過去最高の475社。自動車業界だけでなく、他産業やスタートアップも多く参加し、今までにない企画も実施されました。
「ジャパンモビリティショー2023」受賞の理由(原文)
4年ぶり開催の「東京モーターショー」を「ジャパンモビリティショー2023」と改称し、新しいコンセプトを打ち立て、「人と人」、「会社と会社」、「人や会社と社会」を繋げる役割としてのモビリティの重要性を確立し、スタートアップ企業を含めた日本のモビリティ産業全般に新たな道筋を示したことを高く評価する。
第44回 2023-2024 ノミネート車の34台一覧
第44回 2023-2024 日本カー・オブ・ザ・イヤーのノミネート車は以下の通りです。ここから一次選考により選ばれた上位10車が日本カー・オブ・ザ・イヤー最終選考の候補車となります。
ノミネート全34台の上位10台となった「10ベストカー」
全34台のノミネート車の中から、自動車評論家、ジャーナリスト、有識者からなる選考委員により、最終選考会に進む上位10台の「10ベストカー」が選出。
以下の10台の中から日本カー・オブ・ザ・イヤーが決定されました。