【BCマイル/馬連7点】ウインカーネリアンに“一発”の可能性 幅を利かす地元勢をプラス

BCマイル2023出走馬

日本時間5日、米国・サンタアニタパーク競馬場にて、ブリーダーズカップデーが開催。芝の最強マイラー決定戦、ブリーダーズカップマイル(GI、芝1600m)は、今年のヴィクトリアマイルを制し、安田記念連覇で国内最強マイラーに上り詰めたソングラインが米国でさらなる高みを目指す。

加えて、日本からはマイル重賞2勝のウインカーネリアンも虎視眈々。今年は米国、欧州からトップマイラーが集結し混戦模様で、どの馬が勝ってもおかしくない群雄割拠の一戦だ。

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■国内最強は認めるも、信頼の置けないソングライン

充実一途のソングラインが、北米最高峰の舞台で最強女王へ王手をかけている。今年は連覇を狙ったサウジアラビアのGIII・1351ターフSから始動するも10着に大敗。国内初戦となったヴィクトリアマイルでは4番人気に甘んじたものの、中団から鋭い差し脚を繰り出し、ソダシを競り落としてマイル女王に輝いた。

続く安田記念でも、ディフェンディングチャンピオンながら4番人気の低評価。それをあざ笑うかのように、牡馬相手に再び直線一気の豪脚で連覇を達成。国内最強マイラーに君臨した。BCマイルへ向けて秋初戦として臨んだ毎日王冠は、勝ち馬からハナ差の2着に敗れたが、内で閉じ込められ仕掛けが遅れる不運。スムーズなら突き抜けていただろう。

今年のBCマイルはサンタアニタでの開催。過去10年、当コースで行われた4回において、1分31~32秒台の高速決着となっていることから、速い時計への対応力が求められる。その点、日本の高速馬場で結果を残しているソングラインにとっては有利な材料だ。全7勝を左回りでマークしているように、典型的なサウスポー。その点もサンタアニタ開催はソングラインにとって追い風となる。

あとは、小回りで忙しいコーナー4つのコースへの対応がカギを握る。広い東京コースで直線抜け出す展開に長けている同馬だけに、ごちゃついた展開で後方のまま馬群から抜け出せないシーンも十二分に考えられる。海外経験の浅い戸崎騎乗という点も、やや気がかり。各ブックメーカーで1~2番人気に支持されている有力馬ではあるが、大枚を張るほどの信頼感は置けない。

■自分の形に持ち込めば、粘れるウインカーネリアン

ソングラインの陰に隠れているが、日本から参戦するもう1頭、ウインカーネリアンに大駆けの可能性はないだろうか。重賞勝ちは昨年の関屋記念と今年の東京新聞杯のGIII2勝のみで、GIでは家賃が高い印象だが、近2走は安田記念、毎日王冠と逃げの戦法に徹し、結果こそ出ていないが、大崩れはしていない。

スピード勝負に向くサンタアニタ開催で、逃げを打ってマイペースに運べれば、人気も薄い立場なので当然マークは緩くなる。ましてや左回りの広いコースで好結果を残しているイメージが強い同馬だが、小回りの中山で3勝、福島で1勝と、機動力に長けている点はソングラインをしのぐ大きな武器になりそうだ。

枠順も4番ゲートに入り、逃げ候補のモージや、アストロノマーよりも内枠に入った点はプラス材料で、スンナリと逃げの手を奪える可能性は高い。スイスイと内ラチ沿いを距離ロスなく運べれば、粘り腰を発揮できるのでは…。そんな期待を抱かせる、日本からの第2の刺客だ。

■サンタアニタ開催では、地元米国勢が幅を利かす

サンタアニタ開催では、過去10年で4回中3回において地元米国勢が1~3着を独占しており、今年も注意を払いたい。そんな米国勢からジーナロマンティカエグゾルテッドは、馬券に加えておきたい存在だ。

ジーナロマンティカは、世界のトップマイラーとは初対戦となるが、前走のマイルGI・ファーストレディSを勝って勢いに乗っている。前回のサンタアニタ開催だった2019年のユニも同様のローテで勝利しており、好相性のステップレース。父イントゥミスチーフも、サンタアニタに強いストームバード系で血統面の後押しもある。

エグゾルテッドは今年に入って芝に転向し、4連勝でマイルGIのシューメイカーマイルSを制覇。前走デルマーマイルSは2着に敗れたが、どのレースでも好位につけられる安定したレース運びには好感が持てる。高速決着への対応がカギを握るが、芝で底を見せていない点が魅力的だ。

■大駆けを期待して、相手は手広く好配当をゲット

実力拮抗の混戦模様で、どの馬が台頭してもおかしくないレース。スピード決着が求められるコースゆえに、日本馬の力が上位と考えるが、小回りコースへの対応力という点で、実績上位のソングラインより、機動力に長けているウインカーネリアンの一発に期待を込めたい。

相手には、地元米国勢のジーナロマンティカ、エグゾルテッドに加え、7歳ながら重賞連勝中と衰えを見せないカサクリードも要注意で加えておく。

さらに欧州勢からは、過去2年当レースを連覇中のC.アップルビー厩舎が送り出してきたマスターオブザシーズ、今年の英1000ギニーを制したゴドルフィンの刺客モージに、フォレ賞制覇から転戦してきた仏のケリナなど、手広く広げて好配当を狙ってみたい。

◎(4)ウインカーネリアン
〇(10)ソングライン
▲(2)ジーナロマンティカ
△(12)エグゾルテッド
△(3)カサクリード
△(14)マスターオブザシーズ
△(6)モージ
△(11)ケリナ

馬連流し(7点)
軸:4
相手:10、2、12、3、14、6、11

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

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