【BCターフ/馬単4点】オーギュストロダンに死角なし 人気の一角・世界ランク2位に“消し”ジャッジ

BCターフ2023出走馬

日本時間5日、米国・サンタアニタパーク競馬場にて、ブリーダーズカップデーが開催。クラシックディスタンスの頂点を決めるブリーダーズカップターフ(GI、芝2400m)は、一昨年のダービー馬シャフリヤールが日本馬初の同レース制覇を狙って参戦。

また日本でもおなじみのディープインパクト産駒オーギュストロダンや、イクイノックスに次ぐ世界ランク2位のモスターダフと、頂上決戦にふさわしい豪華なメンバーが揃った。

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■オーギュストロダンが米国でも輝く

ディープインパクトのラストクロップ・オーギュストロダンが今年の欧州3歳路線を席巻した。英ダービーで中団後方から差し切り勝ちを決め、競馬発祥の地・英国のダービーを日本ゆかりの血統が初めて制した瞬間だった。続く愛ダービーも、単勝1.3倍と圧倒的な人気に応えて快勝し、7年ぶりとなる英愛ダービー、ダブル制覇を果たして見せた。

古馬と初対戦となったキングジョージVI世&クイーンエリザベスSは10着に大敗し、周囲を心配させたが、前走の愛チャンピオンSでは好位から抜け出して完勝し不安を払拭。GI4勝の実績を引っ提げてBCターフに駒を進めた。

今回は初めての米国遠征。欧州調教馬の遠征にはハードルが高いと言われている西海岸での一戦となるが、管理するA.オブライエン調教師は、過去10年のBCターフにおいて、2015~22年で8年連続かつ9回馬券に絡む活躍を見せており、遠征のノウハウに不安要素は見当たらない。

速い時計の決着になりやすいサンタアニタだけに、ディープ産駒らしい切れ味を発揮できそうな点も好材料。過去2度の大敗は道悪が影響したものと考えられ、当日の馬場状態は気になるところだが、晴天で開催されれば、間違いなく好パフォーマンスを見せてくれるはずだ。

■距離不安の世界ランク2位は軽視

オーギュストロダンと人気を二分しているのが、今回のメンバーでレーティング最上位のモスターダフだ。今年はドバイシーマクラシックこそ、イクイノックスに完敗したが、プリンスオブウェールズS、インターナショナルSとGIを連勝。英チャンピオンSは道悪を嫌って取り消しただけで、ここへ向けての態勢に影響はないだろう。

問題は、最も力を発揮できる舞台が芝2000mである本馬が、芝2400mで同様のパフォーマンスを見せられるかという点。サンタアニタは軽い芝で平坦なコースとなっており、欧州ほど力の要る馬場ではないため、距離が伸びても対応できる可能性は高いが、先行粘り込みを図ったドバイシーマクラシックの走りからも、最後はいっぱいいっぱいになってしまう恐れがある。人気ほどの信頼感は置けない印象だ。

■サンタアニタなら米国勢も警戒

基本的に欧州勢が優勢のBCターフだが、サンタアニタで開催された過去10年においては米国馬が2勝しているように、米国勢にとってはアドバンテージのある開催コース。今回は昨年の3着馬で牝馬のウォーライクゴッデスに再びチャンスがめぐってきそうだ。

昨年は前哨戦のジョーハーシュターフクラシックを勝って本番へ臨み3着に好走したが、今年も同様のローテ。その前走は後続を4馬身半差も突き放す快勝劇で、6歳を迎えても衰えは見られない。

近3年は牝馬が3着以内に必ず絡んでおり、過去10年でも勝率、連対率、複勝率すべてにおいて、牡・セン馬の数字を上回っている。再度好走する可能性は高く、馬券には必ず押さえておきたい。

■シャフリヤールは厳しい戦いか

オーギュストロダンは日本でも有名な存在なだけに高い支持を集めそうだが、この舞台には最も適しているとみて、同馬を中心に馬券を組み立てたい。同じ3歳のキングオブスティールも注目の存在であるものの、前走英チャンピオンSは鞍上L.デットーリの好騎乗により勝利を挙げたもので、今回も同様のパフォーマンスを見せられるかどうか疑問符が付く。英ダービー、愛チャンピオンSとオーギュストロダンには完敗を喫しており、勝負付けは済んでいる印象だ。

ほかには今年の凱旋門賞で、勝ち馬から1馬身3/4差の3着に入ったオネストも、欧州の中長距離路線ではトップクラスの馬だけに警戒が必要。

BCターフと好相性のA.オブライエン厩舎からは、オーギュストロダンに加えて3頭が出走。2021年の当レース3着ブルームと、同年のベルモントダービー覇者で、前走ソードダンサーSを勝って勢いに乗るボリショイバレエも相手には加えておきたい。

日本から参戦するシャフリヤールは、昨年のドバイシーマクラシックを制して以降、5戦未勝利。前走の札幌記念は見せ場なく11着に大敗しており、その後、喉の手術を受けて、ぶっつけでの海外遠征と不安は拭えない。力は認めつつも、ここでは厳しい戦いを強いられるとみて、今回はバッサリ切る。

◎(5)オーギュストロダン
〇(13)ウォーライクゴッデス
▲(2)オネスト
△(4)ボリショイバレエ
△(7)ブルーム

馬単1着流し(4点)
軸:5
相手:13、2、4、7

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

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