ONIGAWARA - 異色のスーパーJ-POPユニット、結成10周年を祝う二部制アニバーサリー公演を新宿LOFTで敢行!

ONIGAWARAのライブは、更地の状態から作り上げていった

──早速ですがオフィシャルサイトのお2人の紹介は、ここ最近で一番笑ったぐらいに面白いプロフィールでした!

竹内:2019年にそれまで所属していた事務所から独立してフリーランスになったとき、2人でプロフィールを考えた…気がするね?

斉藤:どんな文章でしたっけ?

──たとえば、斉藤さんは“13歳ごろなぜかエレキギターを手にし、28歳ごろ、置く”…置く、とわざわざ書いていたり(一同笑)、おそらくその文章を受けて竹内さんは“28歳ごろ、HOTEI MODELを手にし、現在はTC-HOTEI 25th Anniversaryの所持者の1人である”とか。

竹内:これは世界で250本しかないギターなんですよ。

斉藤:確か、京都にいるコレクターから買ったんだよな?

竹内:そう。もう現行では売ってないモデルなので、探して。(柄の)白い線がさらに金で縁取られてて、ギターヘッドには“25th Anniversary”って書いてあって。

──オフィシャルでアップされているライブ動画を見てもこのギターがステージに置いてありますし、普段もこのギターを弾いておられて?

竹内:もちろんそうです、ライブでもガンガン弾いてます。

──遡って、2013年に竹内電気が解散してからお2人がONIGAWARAとして活動する方向に向かったのは?

斉藤:事故ですよ(笑)。竹内電気が解散することになって、竹内から“何かやりたい”って誘われて(補足:斉藤は2011年の時点で竹内電気を脱退している)。でも俺はそのとき、愛知県で仕事をしてたし一旦断って。でもその後、俺がどうしても仕事が嫌になって“一緒にやるわ!”って竹内に言って、上京してきたっていう。(愛知を拠点に活動していた)竹内電気も、俺が抜けるタイミングで他のメンバーが上京してて。

竹内:俺の中では、音楽をやめるっていう選択肢はずーっとなくて。斉藤が辞めるときも、バンドがどうなるのかな、とは思ったけど“俺、東京に1回行きたいから行くわ”って言ったら(他のメンバーも)行く、っていう感じになって。上京したんだけど結局解散することになって、でも俺は音楽をやめるつもりはなかったから。それで斉藤が空いてるはずだし1回誘ってみようと声をかけたら“仕事あるし、やらない”って言われて、俺1人で弾き語りをやったりとか音楽を続けてたら斉藤が“東京行くわ”って言うから、“どうぞ”って。

斉藤:だから竹内電気が解散して3カ月ぐらいでONIGAWARAが始動したのかな。

竹内:5月に解散して、8月31日にONIGAWARAを始めたからね。

斉藤:面倒くさいことに実は、ONIGAWARAというものがそれ以前からあったんですよ。2011年ぐらいから2人で遊びで、この名前でやってて。

──斉藤さんは竹内電気を脱退後、音楽からはすっかり距離を置くつもりだったのでしょうか?

斉藤:何かをやりたいとは思っても、放っとかれると俺は何もやらないんで。もともと、全てにおいてやる気のある人間ではないので(笑)、引っ張ってくれたり声をかけてくれる人がいないと多分、何もやらなかったと思う。たまたま竹内が声をかけてくれて一旦断ったけど、“もう1回やりたいって言えば、アイツもいいって言うだろう”って(笑)。

竹内:俺はずうっと、もったいないと思ってたんで。こんなにできるのに、音楽を何もやってないっていうことが。

──話を戻して、“2011年頃に遊びで”スタートしたときから今のONIGAWARAサウンドに繋がる原型はできていたのでしょうか?

竹内:そんなに遠くは…ないですね。

斉藤:この間、久しぶりに聴いたらクソしょぼかったですけどね(笑)。今はもうちょっと、ちゃんとできます。

──そして現在は、竹内さんが“主に歌とギター、作詞、作曲を手がけ、アレンジは相方に丸投げしている”とプロフィールにはありますが、2013年からこの形で楽曲制作をされて?

竹内:基本的にはそうですね。斉藤が詞と曲を書くときもあるんですけど、俺はアレンジが本当に全くできないので完全に任せちゃってますね。

斉藤:分量的には(竹内が制作の割合が)5分の4、俺が5分の1ぐらいですね。

竹内:いや、それは半々でいいんじゃない(笑)。

──斉藤さんは”主にONIGAWARAの楽曲アレンジメント、コーラス、合いの手、ガヤ、ダンスなどを担当”で。

斉藤:発足当初から、何をやるとか全く決めてなくて。最初は正直、ステージに立つつもりもなかったんですよね。曲だけ作って発表してやっていけたら良いね、っていう感じで曲を作ってたんですけど、“ライブ、やってみない?”って言われたことがあって。何やりゃいいんだよ、って思いつつも断れないほうなんで、“やります”って言って。ステージ上で俺らは何をすれば良いんだ…って、ね(笑)。

竹内:俺も最初はステージでギターを弾いてなくて、ただ持ってるだけで。

斉藤:(アンプに)繋いではいない(笑)。

竹内:カラオケで曲を出してね、最初の頃はもう何をやっていたか記憶がないです(笑)。

斉藤:(2人で)歌だけ歌ってましたね、マジで更地の状態から始めたんで。ダンスも踊れないし、カラオケに乗せて歌を歌うだけ、みたいな。それで曲のキメに合わせて身振り手振りをするだけで、衣装もあるんだかないんだかよく分かんないし。そこから1個ずつ、こうしようこうしよう、っていうのを足していって。

竹内:自分らの音を出そう、振り付けを作ろう、衣装もちゃんとしたのを揃えよう、って。

斉藤:始めて1年ぐらい経ってから、ダンスの先生が知り合いにいたので“俺らでも踊れる簡単な振り付けを作ってくれないか”ってお願いして。ギターも当てぶりだったけど“やっぱりギターを弾いてないとつまんねーな”って、カラオケからギターの音を抜いてギターは弾いて。

竹内:ギターは音が出てないと楽しくないもんね。

斉藤:本当にね、1個1個(積み重ねて)、今の形になったのは2014〜15年ぐらいですかね。前例がないと言うか、2人でステージに出てカラオケに乗せてライブハウスでやるという人間を見たことがなかったんで。

竹内:ラッパーとかでもなければ(笑)。

斉藤:その当時、アイドルとかがライブハウスでやり始めたぐらいで、男性だったらなお少ない時期だったと思うし。

竹内:ちょうど過渡期でね。ザ・リーサルウェポンズとかの形は近いかもだけどね。俺らは、(TVの)『ミュージックステーション』でCHAGE and ASKAが歌うのをイメージしてたんだよね(一同笑)。

斉藤:“バックバンドなしで2人で出てきてやるのが良いよね”って真顔で話してました。ノートPCを持ってきて(サウンドを)ポン出ししながらマイクで歌う人とかはいたんですけど、チャゲアスはポン出ししないじゃないですか。だから頑なにCD-Rを渡して音響さんに音を流してもらって、ステージ上は俺たちだけっていうスタイルに落ち着きましたね。それでどこか、“これは何とかなるな”って思ったタイミングがあったんですよ。

竹内:いろんな曲もできてきて、ライブも盛り上がるじゃん! って思ったんだよね。

斉藤:最初の頃はもうちょっとバンド寄りと言うか、ロックっぽい曲も多かったんですけどね。

竹内:そう、だからエンタメ性がなかったし、お客さんを盛り上げようみたいな気持ちもなかった。でもアイドルさんたちと一緒にやるようになっていって、ファンの熱量とかを感じてきて2014年の後半にはライブ向けの楽曲が増えて、ライブも盛り上がるようになって。

斉藤:だったら踊るか! みたいな話にもなっていって。それが30(歳)手前ぐらいのときだね。

──ギターを置いてダンスに行くというチャレンジは面白く感じましたか?

斉藤:今も全然踊れないんですけど(笑)、当時はそうしていく他なかったと言うか。ライブで盛り上がる、みんなで楽しめるという延長なんだと思います。コール&レスポンスの入った楽曲とかダンスビートの曲が増えると振り付けがあったほうが良いよね、ってどんどん膨らんでいった感じ、ですかね。

──音楽シーンを全体を見回しても、なかなかいないような2人組ではないかと思います。

斉藤:いないことはないんでしょうけど、こういう人たちに会ったことはないですね。

竹内:唯一無二になりたいわけでもないし、気づいたら周りに誰もいなかった感じですかね(一同笑)。

斉藤:細っそいけもの道を作ってきたけど、後ろを見でも誰もいないっていう。

竹内:でも別にそれでいいって感じですね(笑)。

『10周年だよ!ガワラまつり』で2人の歴史が丸分かりになる!

──11月18日に新宿ロフトで開催の『10周年だよ!ガワラまつり』は第一部・第二部の二部制で開催ですが、この企画というのは?

竹内:10周年のイベントをやりたいなと思って考えたときに、まずcinema staff(以下、シネマ)には出て欲しかったんですね。竹内電気でバンド時代からの流れもあるし、『OOPARTS』っていう彼らが岐阜でやっているイベントに毎年、絶対にONIGAWARAを呼んでくれたりしてて、バンド時代からONIGAWARAになっても一番、ずっと一緒にやってくれてたバンドなんですよ、後輩なんですけど。だからシネマには出て欲しかったのと、あとはどのバンドが出たら面白いんだろうって2人で考えたときに、ダメ元で田淵(智也/UNISON SQUARE GARDEN・以下、ユニゾン)に“ユニゾン、出てくれない?”って言ったら“やります!”って言ってくれて。ユニゾンは竹内電気ではよく対バンしてたんですけど、ONIGAWARAになってからは1回もしてない(笑)。

斉藤:シネマはONIGAWARAになってからもメチャクチャお世話になってるんだけど、逆に昔は友達でONIGAWARAになってからは全く会ってない友達を、って考えた感じでしたね。ロフトでこの3組が見られるなんてまずないと思うんですよ。

竹内:正直、お客さんのことを考えたと言うよりは、自分たちの10周年で何をしたら面白いかなあ(笑)っていうところでまず考えて。田淵はね、それこそ第一部のほうに出てくれるDIALOGUE+っていう子たちをプロデュースしてるので、制作とかで会ってはいるんですけども。

斉藤:(ユニゾンの)斎藤(宏介)くんとか(鈴木)貴雄とかには全然会ってないなって思ったしね。

竹内:友達だし、久々に一緒にやれたら楽しいだろうなと、いうところでバンドの出演者は固まって。バンドだけでやるのも良いけど、ONIGAWARAをやってきた意味みたいなところも出したいと思って。ONIGAWARAになってからアイドルの方と絡むようになってバンド時代にはなかった楽曲提供もやらせていただく機会が多いのと、ukkaさんと新宿ロフトでツーマンを(前に)やらせてもらったこともあったので、まずはukkaさんを決めてから他に誰がいると面白いかな、って考えて。

斉藤:これまで曲を提供した子たちとはだいたい共演をしてるんですけど、CROWN POPとDIALOGUE+とは1回もなかったので、ということで。

竹内:第一部のほうは、自分たちが楽曲提供をしたことがある子たちと出るということですね。

斉藤:ONIGAWARAになってから(の音楽活動)というのは、第一部のほうで証明できるのかな。

竹内:それで第二部のほうが、俺らの前のバンドの時代ということだね。皆もう30代になって、若手バンドはいない(笑)。でもシネマもユニゾンも現役だからね。

斉藤:だし、メチャクチャ彼らの規模はデカくなってるからね!

竹内:だから懐かしいだけじゃないと思うし、それは俺らもそうだし、竹内電気のときから応援してくれてる人もONGAWARAから応援してくれてる人も、昔を含めて俺と斉藤がやってきた俺らの歴史みたいなもの…こういうバンドと一緒にやってきて繋がりがあって、っていうのを見て欲しいですね。

斉藤:竹内電気としては10周年はできなかった、そこまでバンドはやってなかった。でもONIGAWARAは10年やってきた。だから、お見せするものとしては2人の歴史ですよね。

竹内:第一部と第二部を見れば丸分かりということですね。

──イベントのフライヤーも良いですよね、ちゃんと新宿ロフトのステージ床の市松模様が描かれていたりして。

竹内:そうですそうです、友達に作ってもらって。(ONIGAWARAが)フリーランスなので、何をやるにしても本当に友達にいっぱい手伝ってもらってますね。

斉藤:まずは情報が伝われば良し! で作ってもらいましたけど、俺らもこうして長くやってるから昔バンドマンだったヤツが今、いろいろと仕事ができるようになってるんですよね。年齢的にも(笑)。

竹内:カメラとか映像とかも全部、友達としかやってないし、スタッフもいないから今回にしてもブッキングは全部自分だし。生身の人間としてぶつかり合ってやっていく、それは竹内電気のときはなかったし、ONIGAWARAになってからもフリーランスになる前はやってなかったことなので、進んでいく上で大変ですけど喜びも大きいですよね。

斉藤:今回のブッキングに関しても、進めていく上で“ノー”は1個もなかったもんな。スケジュールが合ったのか、心意気で出てくれるのか。

竹内:いなかったね。自分たちで連絡をして誘ってオッケーをもらって、“よっしゃあ!”って。ONIGAWARAになってから今は、とりあえず言ってみてとりあえず動く。どんなことにしてもそう(笑)。

──フリーランスでの活動で大変な部分もありつつも、お話をされている表情を見ると楽しそうだなと感じます。

竹内:いろんなことが実現していく、それは楽しいですよね。

斉藤:だから大っきいイベントとかが終わった後に、安堵感もあって絶対に体調を崩すよね。

竹内:崩しやすいね。やっぱりすごく不安はあるんですよ、任せる人がいないから全部、自分の責任になっちゃうから。でも、イベントが無事に終わったときの嬉しさみたいなものは人に任せるよりもものすごくデカいですからね。

──事務方の業務があっても、この日は出演者でもありますからね!

竹内:ライブはもう絶対に楽しいのは間違いので、ライブに対する不安は全くないです!(笑)

──では、『10周年だよ!ガワラまつり』当日を楽しみにしています! そんな第二部の出演者に「and more...」とあるのですが…?

竹内:気づく人は気づくんじゃないかな、このメンツだったら“あれが出るんじゃないか?”っていうのは!(笑)

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