今週は京都競馬場で、第28回ファンタジーS(GIII、芝1400m)が行われる。京都開催時代にはレシステンシア、ダノンファンタジーと2年連続で阪神JF勝ち馬を送り出したようにGI戦線へとつながるレース。
ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬18頭の全頭診断を行う。
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ファンタジーS2023 出走予定馬全頭診断
・イツモニコニコ
最内枠を利して逃げ切り勝ちを決めた前走。前残り傾向にあった当時の馬場コンディションが追い風となったのは確かだろう。淀みない流れが予想されるここでの連続好走は至難の業と言える。
・カルチャーデイ
稍重だったとはいえ、芝1200mの前走勝ち時計は平凡。厳しい。
・キャプテンネキ
芝1400mを連勝中の馬だが、走破時計は1分22秒台と平凡。速い上がりを使えるタイプでもなく、勝ち切るためのハードルは高そうだ。
・キャンシーエンゼル
新馬戦、小倉2歳Sと芝1200mを1分8秒台。決して目立つ時計とは言えず、当時との比較で頭数が多くなる点も気がかりだ。
・クイックバイオ
デビューから9頭立て以下の経験しかなく、使われるたびに馬体重が減り続ける現状。牡馬混合のオープン戦を勝ったのは立派だが、ここは試金石の一戦として捉えたいところだ。
・クリノハレルヤ
重馬場の当時は逃げ馬天国の馬場コンディション。良馬場適性は未知数で、距離延長も含めて克服すべき課題は少なくない。
・シカゴスティング
前走フェニックス賞は快勝も、地方馬が多数出走していたようにレースレベルとしては疑問が残る一戦。強調材料は乏しい。
・シュークリーム
個性的な名前に注目が集まる1頭だが、前走は圧巻の逃げ切り勝ち。勝ちタイムこそ平凡だったが、逃げて上がり3F33秒8は立派だ。間隔が詰まったローテーションではあるものの、ノーマークにはできない。
・セイウンデセオ
前走小倉2歳Sは7着とクラスの壁を感じてしまう内容。一変を望むのは酷に映る。
・セントメモリーズ
前走ききょうSは惜敗も、新馬戦と同じく上がり3F最速をマーク。道中溜めることができるのは逃げ馬が揃ったここでは大きなアドバンテージとなりそうだ。関東馬ではあるものの、今回が早くも2度目の関西圏と経験値も十分。キャリアの浅いメンバー構成にあって、死角の少ない馬と言える。
・テラメリタ
1人気に支持された前走は4着。控える競馬が裏目に出た感があったし、本質的には良馬場でスピードを活かす競馬が合っているのだろう。良馬場自体は未経験も、週末京都芝なら見直したいところだ。
・ドナベティ
芝1200mでは【2.0.0.0】と負け知らず。ただ芝1500mの2走前は先行して失速しており、現状はスプリント戦で狙うのがベターか。
・バロン
前走は4角9番手以下を進んだ馬が1.4着を独占。展開が向いた感は否めず、平凡だった走破時計も気がかりだ。
・ヒヒーン
前走新潟2歳Sは勝ち馬と1秒1差。デビューから2戦とも直線の長いマイル戦を使われており、1400mへの対応にも疑問が残る。
・ピューロマジック
10馬身差圧勝のパフォーマンスは圧巻だったが、2着馬が1分11秒台と相手に恵まれた感あり。中央場所では荷が重いか。
・レディーエンジェル
6頭立てで5着の前走は少々物足りなさが残った。もう少しクラス慣れが必要だろう。
・ロータスワンド
初の重賞レースとなった前走は15着惨敗。馬場コンディションを差し引いても厳しい内容で、再度の重賞では厳しい印象だ、
・ワイドラトゥール
新潟芝1600mで楽勝の前走。1000m通過60秒5は小雨の馬場コンディションを思えば悪くないもので、内容も伴ったパフォーマンスと言えよう。初の芝1400mへの対応がカギも、好勝負できるだけの可能性は示している。
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UMAJIN.netより一部編集・転載(2023年11月2日 18:00公開の記事)
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。