「頂き女子りりちゃん」にはベトナム国籍の夫がいた 初公判の法廷で明らかになった素顔 20歳ごろからホストにのめり込む【裁判担当記者の取材メモ】

男性から多額の金銭をだまし取った罪などに問われている、「頂き女子りりちゃん」の初公判が開かれました。法廷にメガネ姿で現れた住居不定・無職の渡邊真衣被告25歳。裁判で明らかになったことをまとめます。

【起訴内容】(起訴状などから)
①詐欺幇助の罪
2022年6月、名古屋市の21歳の女に、恋愛感情を利用して男性から現金をだまし取るための「1ヶ月1000万頂く頂き女子りりちゃんの【みんなを稼がせるマニュアル】」「頂き女子の参考書」と題するマニュアルを販売したほか、2023年2月にはTwitterのスペース機能を使って、男性の心をつかむ方法についてアドバイスをした。

②詐欺の罪
2023年4月から8月にかけ、茨城県の50歳の男性から、現金合わせておよそ3850万円をだまし取った。

11月2日の初公判では、①の詐欺幇助の罪について審理されました。

【罪状認否】
裁判官から「起訴内容に間違っているところはありますか?」と問われた渡邊被告は、「いや、ないです」と起訴内容を認めました。弁護側も事実関係を争わない方針を示しました。

「頂き女子りりちゃん」にはベトナム国籍の夫がいた~検察側の冒頭陳述より

【検察側の冒頭陳述】
▼高校を卒業後、専門学校を中退。

▼風俗店で働いていた。

▼ベトナム国籍の夫がいる。

▼ホストに多額の金銭をつぎ込んでいたが掛け金の支払いに窮し、自身が勤める風俗店の客に金銭援助を求めて成功したことをきっかけに、男性に恋愛感情を抱かせたり交際関係にあると思い込ませたりしたうえで、経済的苦境に陥っているなどとのうそをついて、男性から金をだまし取ることを繰り返すようになった。

▼男性から金をだまし取ることを「頂き女子」と称し、その方法を書いた複数のマニュアルを作成し、SNSで販売するようになった。

▼21歳の女は2022年6月、渡邊被告に「マニュアルを購入したい」とDMを送る。
→PayPayで代金2万8000円を送金し、LINEでマニュアルのリンクを受け取った。

▼2023年2月には、TwitterのDMで前述の21歳の女から「相談したい」とのメッセージを受け、スペース機能を使って「頂き女子」としての秘訣を助言をした。

▼21歳の女は2023年4月29日、渡邊被告に対し「今月、男性からだまし取った金額が約1000万円に上る」と報告し、マニュアルや相談のおかげだと感謝を伝えた。

【証拠調べ】
▼TwitterのDM内容(2023年4月29日)
21歳の女から渡邊被告へ「りりちゃんに報告なんだけど、ほぼ今月1000万プレイヤーになれたよ」

▼21歳の女の供述
「指南書を参考にした」
「りりちゃんからマニュアルを買って、その通りにした」
「マニュアルには男性を『おぢ』と呼び、相手の反応に合わせた対応策などが書いてあった」
「2月にはTwitterのスペースでりりちゃんに相談をした。助言を受けて、しゃべり方や相手が求めるものを提供することで、精神的なつながりを作るようにした」

▼「1ヶ月1000万頂く頂き女子りりちゃんの【みんなを稼がせるマニュアル】」の内容:「頂き女子」の説明やお金を取る手法が書かれていた。

▼「頂き女子の参考書」の内容:お金に困っていることを物語を交えて話す中に、色恋の言葉を挟むなどとのアドバイスが書かれていた。

▼渡邊被告の供述
「20歳ごろからホストにのめり込み、風俗で稼いでお金をつぎ込んだ。客から多額の金銭をもらうことに成功してから『頂き女子』と称してだまし取った」

「マニュアルにするよう人から勧められ、販売した」

「マニュアルは携帯で作り、担当ホストのパソコンでPDF化した。21歳の女には都内からマニュアルを送った」

「マニュアルの収入は約1993万円。『頂き女子』では総額3億円くらいをだまし取った」

【今後の裁判】
②の審理のほかにも余罪があり、11月上旬に追起訴を予定。次回の裁判は12月6日に開かれる予定です。

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