【京王杯2歳S/全頭診断】昨年は3連単222万馬券 「3年前の勝ち馬がフラッシュバック」する有力馬

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今週は東京競馬場で、第59回京王杯2歳S(GII、芝1400m)が行われる。昨年は3連単222万馬券が飛び出した一戦。キャリアの浅い2歳馬同士のレースだけに大荒れも想定したいところだ。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬12頭の全頭診断を行う。

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京王杯2歳S2023 出走予定馬全頭診断

・アグラード

当舞台を使われた前走は大外枠から勝利。翌日の2勝クラスと0秒4差なら上々のパフォーマンスと言えそうだ。舞台経験があるのは大きな強み。ここも軽視は禁物だ。

・アスクワンタイム

前走小倉2歳Sで重賞制覇。当時の小倉芝は外差し馬場だったが、その恩恵を受けた印象だ。過去走から高速馬場適性を証明したとは言い切れず、試金石の一戦と捉えたい。

・アンバーニードル

芝1200mを使われた3走で記録した時計はいずれも1分10秒台以上。重賞即通用は難しい注文と言えそうだ。

・オーキッドロマンス

連勝中の近走だが、東京芝では3.5着。現状は芝1200mがベスト条件と捉えたい。

・コラソンビート

1600.1400mと連勝中の馬。前走は控える競馬での勝利だけに価値は高いと言える。新馬戦で先着を許したチェルヴィニア、ボンドガールはいずれも秋の東京芝重賞で連対。戦ってきた相手は強く、この中間はウッドで好時計。多頭数がカギも、それ以外に死角らしい死角は見当たらない。

・ジャスパーノワール

前走芝1200mから臨む森厩舎所属馬で思い出すのは昨年の当レース2着馬フロムダスク。仕上がりの早い厩舎傾向に加えて前走は上がり3F最速で逃げ切っており、何らかの印は必要か。

・ゼルトザーム

函館2歳Sの覇者がここから始動。ただ当時は洋芝かつ重馬場で、勝ち時計は1分11秒7と平凡なものだった。高速馬場傾向にある東京芝替わりがプラスに働くとは思えない。

・タイガードラゴン

前走負かした馬の次走成績は【0.0.0.8】。ハイレベルレースとは言い難く、重賞即通用は容易ではなさそうだ。

・タヤスロンドン

函館2歳Sは11着と惨敗。将来的にはダートで見てみたい1頭で、芝重賞では様子見が妥当か。

・バンドシェル

前走は重馬場に加えて外差し決着が味方した印象あり。初の関東圏かつ良馬場想定のここで中心視するには躊躇してしまう。

・ミルテンベルク

アスクワンタイムに先着を許した前走。それでもプラス14キロの馬体重増と成長力を示しつつ、タイム差なしに持ち込んだ内容は高く評価できるものだ。小倉2歳S→京王杯2歳Sのローテーションで臨むキャロットファームの馬は、2020年の勝ち馬モントライゼがフラッシュバックする。ここも軽視はできない。

・ロジリオン

この馬で強調したいのは2走前。芝1600mで記録した1分34秒3はメンバー中最速にランクされるものだ。テンにいけない脚質が改善された前走の勝ち方も優秀で、未勝利を脱出したばかりでも侮れない。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2023年11月2日 18:01公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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