【みやこS/全頭診断】「4.4.0.1」条件発動の想定4人気以下 セラフィックコールに全幅の信頼は……

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今週は京都競馬場で、第13回みやこS(GIII、ダ1800m)が行われる。暮れの中京で行われるチャンピオンズCにつながる重要な一戦。今年は連勝街道をひた走る上がり馬に注目が集まる。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬16頭の全頭診断を行う。

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みやこS2023 出走予定馬全頭診断

・アイオライト

中央場所のダートでは【0.0.0.4】掲示板内なし。相手強化のここで連続好走は至難の業と言える。

・アスクドゥラメンテ

目下3連勝中の上がり馬。そのいずれも0秒3差以上をつける楽勝だったが、3勝クラスの前走勝ち時計は前週の1勝クラスよりも遅かった。重賞勝ち馬やGI好走馬が並ぶメンバー構成を考えたとき、重賞即通用には疑問が残る。

・アルーブルト

オープンクラスでは苦戦が続く馬。厳しい。

・ウィリアムバローズ

ダートでの馬券外はわずか一度という安定株。前に行ける脚力は大きな武器と言えるが、唯一の馬券外は昨年の当レースだった。好走時のラスト1Fは13秒台を要するケースがほとんど。切れ味が活きる平坦京都かつ前に行く馬が多いシチュエーションを考えたとき、人気馬のなかでは割り引きたい1頭だ。

・エナハツホ

オープンクラスでは【0.0.0.3】と厚い壁にぶち当たる現状。厳しい。

・ゲンパチルシファー

今年使われた6戦はいずれも勝ち馬と1秒以上離される惨敗。復調には時間がかかりそうだ。

・サンライズホープ

昨年のこのレース勝ち馬。11番人気での激走には驚かされたが、当時の大駆けがウソのように近走は惨敗が続いてしまっている。強調材料は乏しい。

・セラフィックコール

デビューから無傷の4連勝。2勝クラスの重馬場ダートは辛勝だったものの、良馬場替わりの前走圧勝を見るより乾いたダートのほうが真価を発揮できるタイプなのだろう。とはいえ前走は上位馬すべてが差し追込馬と展開が向いた面も否めない。テンにいけない脚質は相変わらずで、全幅の信頼を置くには至らないか。

・タイセイドレフォン

この馬の取捨は馬場状態がすべて。稍重~不良馬場の成績【0.0.0.4】に対し、良馬場では【4.4.0.1】。前走は得意の馬場コンディションで迎えられたことが好走要因と言えそうだ。予報通りなら今週末の京都競馬場は良馬場想定。引き続き高評価が必要だろう。

・ブリッツファング

長期休養明けの前走はまったく見せ場なく惨敗。一変を望むのは酷に映る。

・ペプチドナイル

1人気に支持された前走エルムS。結果は13着と、控える競馬を強いられたこともあり持ち味を発揮できなかった印象を受けた。2走前に良馬場函館ダート1700mで記録した1分43秒0はテイエムジンソク(チャンピオンズC2着)と遜色ない好時計。すんなり行ききれた際には見限れず、ノーマークにはできない。

・ホウオウルーレット

この馬もまた、馬場状態が取捨のすべてというタイプ。良馬場の成績【1.0.0.3】に対し、稍重~不良馬場では【3.2.0.3】。前走は自身が得意とする馬場コンディションが味方した印象だ。良馬場想定の京都競馬場では割り引きたい。

・マリオロード

上がり3F最速の脚で2着馬とタイム差なしに迫った前走。オープンクラス通用のメドを立てた内容だったが、当時は道中最後方にいた馬が3着に突っ込んでくる差し追込決着の恩恵あり。強力な逃げ先行馬が揃ったここは前が簡単に止まるとは思えず、さらなる前進を求めるのは酷に映る。

・メイクアリープ

1人気かつ1枠を引いた前走太秦S。マークを受ける立場でもあり、1000m通過60秒5でラスト1F13秒2と消耗戦になったことで厳しい展開を強いられたことが敗因と言えそうだ。もともと控える競馬ができるタイプゆえ、ここは無理して先手を奪うことはないはず。この馬にとって楽なペースで運べれば変わり身の期待は十分だ。

・メイショウカズサ

勝ち馬と1秒以上離される競馬が続く現状。厳しい。

・ワールドタキオン

連勝の勢いをもって臨んだ前走エルムS。4角先頭の強気な競馬を敢行したが、道中最後方に位置していた勝ち馬の強襲に遭う形での惜敗だった。それでも負けて強しと言えるレース内容。中間のウッドでも好時計を連発しており、再度の好走が見込める1頭だ。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2023年11月2日 18:02公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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