【アルゼンチン共和国杯/全頭診断】想定8人気以下に「3.1.1.1」 ”押さえるべき”穴馬候補

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今週は東京競馬場で、第61回アルゼンチン共和国杯(GII、芝2500m)が行われる。のちのGI馬も多数輩出された出世レース。フルゲートの今年は波乱含みの様相を呈している。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬18頭の全頭診断を行う。

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アルゼンチン共和国杯2023 出走予定馬全頭診断

・アサマノイタズラ

フタ桁着順が続く現状。厳しい。

・アフリカンゴールド

5着好走の前走は道悪が向いた感あり。良馬場想定の日曜東京芝がマッチするとは思えない。

・アリストテレス

2年近くにわたって掲示板内すらない馬。変わり身は望み薄か。

・アーティット

昇級後の近2走はいずれも馬券外。クラスの壁を感じてしまうような着順だが、1000m通過57秒1のハイペースを3番手追走での4着なら決して悪くないだろう。距離延長ローテの成績【3.1.1.1】が示すとおり、追走が楽になるローテーションは歓迎。左回りは直線急坂の中京芝で2勝を挙げており、叩き一変を警戒したい穴馬候補だ。

・グランオフィシエ

重賞では【0.0.0.4】かつ4レースすべてでフタ桁着順。厳しい。

・ジャンカズマ

格上挑戦を制した前走は軽ハンデと枠順の恩恵があった印象。重賞即通用は至難の業と言える。

・ゼッフィーロ

前走オールカマーは強豪相手に3着好走。これで右回りの成績【2.2.1.0】と高い適性を証明してみせた。翻って、今回の条件は【0.0.2.1】と差し損ねが目立つ東京芝。騎手も含めて人気が想定されているものの、現状ではオープンクラス連対歴ゼロの馬だけに慎重な評価を下したいところだ。

・セファーラジエル

3度使われた東京芝はすべて馬券外。上位進出へのハードルは高そうだ。

・チャックネイト

休み明けの前走3勝クラスを制した馬。当時は重馬場だったが、その馬場コンディションで2分24秒0は破格と言えるタイムだ。過去10年のアルゼンチン共和国杯において、前走東京芝2400mを4角7番手以内で勝利した馬は【3.1.1.0】。当レースで3勝を挙げるハーツクライ産駒でもあり、軽視は禁物だ。

・ディアスティマ

前走目黒記念は2着と健闘。単騎逃げが叶ったことも好走の要因と思われるが、同馬以外の上位馬に差し追込馬が並ぶ展開での僅差2着は高く評価できる。9.11月の秋競馬は【2.1.0.1】掲示板外なし。芝2500mの成績【1.1.1.0】も含め、軽くは扱えない。

・テーオーロイヤル

昨年のジャパンC以来のレース。1人気に推された昨年は6着も、当時は直線で加速しかかった瞬間に不利を受けており参考外と言える一戦だった。タイトルホルダーが作った激流で3着に入った昨年の天皇賞・春は、能力のある馬しかできない芸当。陣営は慎重な口ぶりだが、高いポテンシャルにかける手はある。

・ハーツイストワール

昨年のこのレース2着馬。東京芝の成績【3.6.0.2】が示すように、舞台適性の高さには目を見張るものがある。とはいえ今年は1年近い休養を挟んでの実戦復帰。2着の昨年も6着馬までタイム差なしの僅差だったことから、今回は押さえ程度が妥当か。

・ヒュミドール

なかなか掴みどころのない馬だが、2走前は東京芝長距離戦で好タイムの2着。一定レベルのスタミナを兼ね備えており、重賞での馬券内3戦すべてハンデ戦という点から何らかの印は必要か。

・ヒートオンビート

春は東京芝2500mの目黒記念を勝利。そのレースを含め、当舞台では【1.1.1.0】馬券外なしと抜群の安定感を誇る馬だ。昨年3着の条件なら不足はないが、気がかりなのは斤量59キロ。昨年との比較で2キロ重く、これまで馬券外に敗れた8戦中5戦が秋~冬の気温下降局面だった。押し出された人気が予想されるここはバッサリ切る選択肢も考えたい。

・プリュムドール

昨年のステイヤーズS以来の実戦となる馬。叩き2戦目の成績【2.2.1.0】を踏まえると、ここは次走に向けた叩き台と捉えたい。

・マイネルウィルトス

復帰後も大負けしているわけではないが、オープンクラスでの馬券内はすべて斤量56キロ以下。主戦騎手が騎乗しない点もマイナス材料だ。

・ユーキャンスマイル

近年の好走は新潟芝2000mに限定。今回と同じローテーションで掲示板外に敗れた昨年を見るより、連続好走は難しい注文と言えそうだ。

・レッドバリエンテ

休み明けで3勝クラスを制した前走。上がり3F最速の脚で差し切った点は立派も、前走負かした馬の次走成績は【0.0.0.6】。決してレベルが高い一戦だったとは言えず、芝2500mを使われた5走前で馬券外になっている点も気がかりだ。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2023年11月2日 18:03公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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