情熱的な赤で彩られた“スパニッシュダンサー” ハッブル宇宙望遠鏡が撮影

こちらは「かじき座」(旗魚座)の方向約6000万光年先の渦巻銀河「NGC 1566」です。NGC 1566は渦巻腕(渦状腕)に囲まれた中心部分に棒状構造がある「棒渦巻銀河」と、棒状構造がない「渦巻銀河」の中間的な性質を持つ銀河(Intermediate Spiral Galaxy、中間渦巻銀河とも)に分類されています。

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された渦巻銀河「NGC 1566」(Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Calzetti and the LEGUS team, R. Chandar)】

明るい輝きを放つ中心部分から2本の渦巻腕が力強く伸びているその姿から、NGC 1566は海外では「Spanish Dancer」(スパニッシュダンサー、スペインのダンサー)の愛称でも呼ばれています。情熱的・活動的な印象を与える赤い領域は、若い大質量星から放射された紫外線によって電離した水素ガスが光を放っている「HII(エイチツー)領域」です。HII領域はガスと塵を材料に星が形成される星形成領域でもあり、新たな星が誕生する現場であることから“星のゆりかご”と呼ばれることもあります。

この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope:HST)」の「広視野カメラ3(WFC3)」で取得したデータ(近紫外線・可視光線・近赤外線のフィルターを使用)をもとに作成されたもので、“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として欧州宇宙機関(ESA)から2023年10月30日付で公開されています。

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文/sorae編集部

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