【シンガポール】新鉄道試験センター、第1期工事が完了[運輸]

シンガポール鉄道試験センターのイメージ(陸上交通庁提供)

シンガポールの陸上交通庁(LTA)は2日、西部トゥアスに建設中の「シンガポール鉄道試験センター(SRTC)」の第1期工事が完了したと発表した。都市高速鉄道(MRT)環状線の試験線路が開通し、新車両2基が試運転を開始した。

シンガポール鉄道試験センターは、MRTの車両や電気・機械・信号システムなどを24時間体制で試験・点検するための施設。陸上交通庁によると、同様の施設は東南アジア初という。敷地面積は約50ヘクタールで、2025年の全面開業に向けて段階的に建設工事を進めている。

第2期では全長3キロメートルの試験線路のほか、3階建ての管制塔や運行管理施設、保守・改修作業施設を建設する。シンガポール建築建設庁(BCA)が環境に配慮した建物に付与する「グリーンマーク」のプラチナ認証に基づいた設計で、ソーラーパネル、ハイブリッド冷却システムなどの持続可能な設備も導入する。

陸上交通庁は声明で、施設が全面開業すれば既存のMRTが運行する線路で試験を行う必要がなくなるため、保守や整備作業に多くの時間を費やすことができるほか、利用客の利便性向上にもつながると説明している。

シンガポール鉄道試験センターは以前、「総合鉄道試験センター(ITTC)」と命名されていた。20年に韓国のGS建設が6億3,950万Sドル(約705億円)で受注していた。

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