「あー俺はもう死ぬんだな」 クマに襲われた男性が“リアル”を語る

 クマによる人身被害が相次ぐ秋田県。連日のように報じられるニュースでは「命に別条はない」「会話はできる状態」といった言葉が並ぶが、具体的なけがの程度までは伝わらない。クマに襲われると、人間はどんなダメージを受けるのか。10月19日に北秋田市でクマと格闘した男性と、日々治療に当たる医師からクマによる外傷の“リアル”を聞いた。
(デジタル編集部・喜田良直)

 「あー俺はもう、このまんま死ぬんだな」

 執拗(しつよう)に頭と顔を襲ってくるクマ。顔を地面に伏せ、右腕で必死に防御したが攻撃は続く。クマの興奮した、荒々しい息づかいを耳元で聞きながら、湊屋啓二さん(66)は死を覚悟した。

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