ブラックホールは小食? 落ちていくガスはごく一部

ブラックホール(中心の黒い点)に落ちていったガスが吹き飛ばされている様子のイメージ図。上側が吹き飛ばされているガス=ALMA(ESO/NAOJ/NRAO)、T.IZUMI氏ら提供

 超巨大ブラックホールから数光年と非常に近い場所にある円盤状のガスの動きを、南米チリにあるアルマ望遠鏡で詳細に捉えたと、国立天文台などのチームが2日、米科学誌サイエンスに発表した。ガスのうちブラックホールに落ちていって成長に使われるのはごく一部で、大半は外側に吹き飛ばされて再び円盤に戻っていた。研究者は「まるでブラックホールが食べ過ぎないように自制しているようだ」と話している。

 多くの巨大銀河の中心には質量が太陽の100万倍を超えるブラックホールが存在する。銀河にある大量のガスがブラックホールの重力に引き寄せられて、集積して巨大化していると考えられているが、謎は多い。

 チームは、地球から約1400万光年離れた「コンパス座銀河」の中心にあるブラックホールを観測。ブラックホールから数光年にある円盤状の原子や分子のガスの動きを初めて詳細に分析し、ガスが落ちていく様子を捉えることに成功した。

 ガスの円盤が自らの重力に耐えきれず、崩れてブラックホールに落ちていっていると判明。

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