人面付土器「いずみ」を特別公開 11、12日、一般にも 茨城・常陸大宮

展示された人面付土器「いずみ」を見学する参加者ら=常陸大宮市中富町

茨城県常陸大宮市の泉坂下遺跡から出土した国重要文化財の人面付土器「いずみ」が2日、同市の歴史民俗資料館で特別公開された。遺跡名にちなみ、いずみちゃんの愛称で親しまれ、貴重な遺物として各地に引っ張りだこ。10月中旬まで、ギリシャ・クレタ島で開かれた企画展に出品されており、久しぶりの帰郷となった。

いずみは2006年、弥生時代の再葬墓のつぼと一緒に見つかった。高さ77.7センチと国内最大で、立体的な顎や、目・口の周りの文様に特徴がある。火にかけた跡が胴部に残っており、同館学芸員の中林香澄さんは「煮炊きに使われたのではないか」と話す。

常設展示はしておらず、今回の里帰りに合わせ、全国の埋蔵文化財に携わる法人を対象にした研修会で、特別に公開した。中林さんに遺跡や土器の説明を聞いた参加者は、いずみの前で立ち止まり、写真を撮影したり、細部を眺めたりした。

いずみは11、12日の2日間、同市内で開かれるイベント「集中曝涼(ばくりょう)」で一般公開される。

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