白石光がベスト8の壁を破りプロ転向1年目で4強。予選から快進撃を続ける上杉海斗と準決勝で激突[全日本テニス選手権]

トップハーフは白石光と上杉海斗が準決勝進出

11月2日、「三菱電機ビルソリューションズ 全日本テニス選手権98th」(東京・有明/10月28日~11月5日)の男子ではシングルス準々決勝2試合とダブルス準々決勝2試合が実施。シングルスではプロ転向1年目の白石光(SBCメディカルグループ)と予選から勝ち上がった上杉海斗(江崎グリコ)がベスト4入りを果たした。

早稲田大学在学中の2021年、22年大会でベスト8入りを果たしている白石の準々決勝の相手は、3回戦で第1シードの関口周一(Team REC)を破っている20歳の磯村志(やすいそ庭球部)。

互いの気持ちのこもった激しいストローク戦を繰り広げ、第1セットは白石が1ブレークを奪って、危なげなくサービスキープしセットを奪う。第2セットでは2度のピンチはあったが、磯村に流れを渡さず。ミニブレークが続いたタイブレークでは3-4から一気に4ポイントを奪って今大会初の準決勝に駒を進めた。

ポイント間には、全日本テニス選手権男子ダブルス4強の経験があり、大学の先輩でコーチの松崎勇太郎とアイコンタクト。「(存在は)相当大きいです。いい時もですが、ちょっと危ない時、苦しい時に応援で鼓舞してくれるというのは、一人で頑張るよりも励みになる。部員も来て、ホーム感の強い雰囲気ででき、応援がなかったらセカンドを取られていたかもしれない」と応援による心の支えがあったからこその勝利だとした。

2年連続のベスト8の壁を越え、「去年、一昨年は満足というかまだ学生でしたし、心のどこかでよくやったなというのもあった。うれしいし、満足しそうですけど気持ちを抑えて頑張ります」と歩みを止めることなく戦っていく。

その準決勝で戦うのは予選から勝ち上がってきた上杉だ。上杉は、準々決勝で第11シードの川橋勇太(マイシン)をフルセットで下し、2017、18年に続いて3度目の4強入りとなった。

この日は攻め一辺倒ではなく、「今回のシングルスはしっかりラリーをして勝ちにいこうと。ラリーの単調なミスを減らしていこうとしていた」と見応えのある長いラリーもあった。競った第2セットでは「シングルスをやってこなかったのが響いた」と緊張しラケットを振れなくなってしまったというが、「最後は吹っ切れてサーブ&ボレー増やしたり、ラリーというよりは勢いで圧倒できるように心がけていました」と最終セットは先にサービスキープをして、リズムを作って勝負を決めた。

2017年には混合ダブルス、男子ダブルスは2連覇中と残すタイトルはシングルスのみ。「シングルスだけ取れてない(笑) でも、そこを意識しちゃうと僕は悪く出てしまう方なので、一つずつ頑張ろうと思います」と目の前の試合を戦っていきたいとしている。

2日に行われた男子シングルス、ダブルスの結果は以下の通り。

<男子シングルス準々決勝>

○白石光(SBCメディカルグループ)[7] 6-4 7-6(4) ●磯村志(やすいそ庭球部)[14]

○上杉海斗(江崎グリコ)[Q] 6-2 6-7(6) 6-3 ●川橋勇太(マイシン)[11]

<男子ダブルス準々決勝>

○上杉海斗(江崎グリコ)/松井俊英(ASIA PARTNERSHIP FUND)[1] 6-2 6-1 ●松田龍樹(ノア・インドアステージ)/白石光(SBCメディカルグループ)

○市川泰誠(ノア・インドアステージ)/渡邉聖太(橋本総業ホールディングス)[2] 6-2 6-2 ●加藤木塁(法政大学)/太田空(法政大学)

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