子どもの幸せ願いオレンジのリレー 自転車で長崎街道走破 11月は児童虐待防止推進月間

「前進」ポーズをとって笑顔で記念撮影をする市職員ら=長崎市役所

 11月は「児童虐待防止推進月間」。長崎、佐賀両県の児童養護施設や児童家庭支援センターなどの関係者が10月30日~11月2日、オレンジ色の服に身を包み、長崎街道(北九州市-長崎)などを自転車で走り、県を越えて子どもの幸せを願う気持ちをつないだ。
 オレンジ色は児童虐待防止のシンボル。2007年から全国各地で「オレンジリボンたすきリレー」が開かれている。両県の関係者は30日に北九州市を出発、1日に佐世保市や大村市などを回り、2日に長崎市入り。同日午後3時ごろ、長崎市役所(魚の町)に到着すると、100人近い職員が温かく迎えた。
 4日間の総走行距離は約330キロ。数区間だけの人も含め計24人が参加した。全区間を走りきった佐賀県基山町の児童養護施設「洗心寮」の調淨信施設長は「困ったときに『どうしたの』と見守ってくれる温かいまなざしが広がってくれればうれしい」と話した。
 途中で各市町の庁舎や児童養護施設などに立ち寄って職員の笑顔を撮影。九州各県の関係機関とも連携し、今月中に2万4千人分の笑顔を集め、随時インスタグラムで発信していく予定だという。調さんの幼なじみで、人気漫画「キングダム」の作者、原泰久さんも活動の趣旨に賛同。全ての子どもが幸せに過ごせる社会の実現に向け、一歩でも「前進」するようにとの思いを込めたイラストが寄せられた。
 長崎市は啓発の一環として、1日から眼鏡橋(魚の町)をオレンジ色にライトアップしている(今後の点灯は5~7日)。
 県のまとめによると、22年度に県内の児童相談所(長崎・佐世保こども・女性・障害者支援センター)が対応した児童虐待相談対応件数は1084件で過去最多。面前DVなど心理的虐待が約6割を占めた。
 「虐待かも」と思った場合、近くの児相につながるフリーダイヤル「189(いちはやく)」や、子どもSOSダイヤル(電0120.0・78310)=いずれも24時間対応=などへの相談を呼びかけている。

児童虐待防止推進月間に合わせ、シンボルカラーのオレンジ色にライトアップされた眼鏡橋=長崎市魚の町

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