栃木県地区 タクシー初乗り運賃1割値上げ 12月から「1キロ500円」に 県全域の改定3年ぶり

 国土交通省関東運輸局は2日、栃木県地区のタクシー初乗りの上限運賃を現行の「1.1キロ500円」から約1割値上げとなる「1キロ500円」に改定すると発表した。実施は12月4日から。物価高騰への対応、運転手の労働環境改善と人材確保を図ることが目的。県全域の運賃改定は2020年以来、3年ぶりとなる。

 初乗りのほか、加算運賃も改定となる。現行271メートルごとに100円の加算が、246メートルごとに100円と値上げになる。

 運輸局は「燃料費をはじめ、全体が物価高騰の影響を受ける中で適正な価格を算出した」と説明。県タクシー協会の鉢村敏雄(はちむらとしお)専務理事(70)は「増収分を賃金に反映し、なり手を確保することで公共交通機関としてのサービスを維持したい」と話した。

 協会によると、新型コロナウイルス禍や高齢化を背景に運転手の離職が増加。若手を中心になり手も不足しているという。

 運賃改定は宇都宮市内の業者が23年4月中旬に運輸局へ申請し、県内の多くの業者が賛同。7月から運輸局が審査していた。

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