子どもがくやしい思いをした時にかけたい言葉について新見正則医院院長、新見先生に伺いました

子どもが悔しかったり、辛いかったりする思いに苦しんでいる時、親はどんな言葉をかけてあげればいい?そんな悩みに、新見正則医院院長、新見 正則先生にご自身の経験を交えながらお話しいただきました。

子どもが悔しい思いをした時、できることって?

娘がくやしい思いをした時には子どもが話したければ話し相手をして、子どもがそっとしておいてほしい時には遠くからしっかりと見守るようにしていました。頻回には口にしませんが、僕はいつも「人生は不平等で、理不尽で、不合理だ」と思っています。そんな僕の思いを日頃からボツボツと食卓などで口にするようにしています。日頃は言わないことを、子どもがくやしい思いをしたときにだけ話してもあまり効果はないと感じています。

日頃が大切です。日頃口にしていることを、子どもがくやしい思いをしたときに再度発言するからこそ、子どもは日頃の発言が腑に落ちるのだと思っています。

子どもは親を、家庭を選ぶことはできません。いろいろな境遇で精一杯生きることが人生です。子どもにそんなことをボツボツと理解させることが肝要と思っています。

つらい思いが継続的に続く可能性がある時は?

つらい思いの原因は、子どもの実力不足のこともあるでしょう。ただただ運が悪かった結果のこともあるでしょう。他の人にハメられた結果かもしれません。またイジメが原因かもしれません。

イジメなどでつらい思いが継続的に続く可能性が高ければ、親としてもしっかりと対応する必要があります。自分の子どもが実はイジメを行っている当事者かもしれません。またイジメを一方的に受けている立場かもしれません。上手につらい原因を聞き出して、子どもの意見だけでなく周囲の意見もしっかりと聞いて、イジメには対応する必要があります。

ある程度のイジメは、将来子どもを卒業して、親から巣立っても受けることもあります。そんなイジメの類を上手にスルーする能力も、大人になるために培っておく素養のひとつと思っています。命に関わるイジメからは一目散に逃げる必要があります。そして娘にはそう語って育てました。しかし、命に関わらないちょっとしたイジメには上手に対応する能力を育むことも将来にとって役に立ちます。

「人生は不平等で、理不尽で、不合理だ」と娘には語って育てました。また自分でもそう思うべきで、周囲の人にもそう思ってあげるべきだと考えています。自分が周囲と比べて恵まれていないことも多々あるでしょうが、恵まれていることも少なからずあるはずです。

子どもがつらい思いをしている時には、ともかく寄り添ってあげて下さい。近くで話すことも、遠くから見守ることも大切です。

執筆者

新見正則先生
新見正則医院院長

経歴
新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。
98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。
2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。
2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。
20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。
現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。
最新刊『フローチャート整形外科漢方薬』はAmazonで三冠(臨床外科、整形外科、東洋医学)に輝きました。

新見正則の生き方論は以下の最新刊も参考にしてください。
『しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通』

新見正則医院ホームページ

© 株式会社エネージア