カレーを一晩寝かせるのはNGだった!?やってはいけない保存方法

カレーを一晩寝かせると食中毒になる?!

食べきれなかったカレーを鍋に入れたまま一晩置いて、翌日に加熱して食べたり、カレーうどんなどアレンジして食べる方も多いでしょう。しかし、カレーを鍋に入れたまま一晩寝かせると食中毒になる可能性があるのです。

食中毒予防の3原則

食中毒を防ぐためには、原因菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した原因菌を「ふやさない」、食べ物や調理器具に付着した原因菌を「やっつける」という3原則が大事だといわれています。カレーを一晩寝かせて翌日に加熱すると「つけない」「やっつける」はできるのですが、それでも「ふやさない」ができないのです。

熱を通しても消えないウェルシュ菌

食中毒予防の「ふやさない」ができない理由がウェルシュ菌です。自然界に幅広く生息している細菌で、カレーやシチューの鍋底など、酸素が少ない場所で繁殖します。

基本的には熱に弱いのですが、芽胞(がほう)と呼ばれる硬い殻をまとっているため、カレーを高温で再加熱しても芽胞に守られて生き残ってしまうのです。

芽胞は、カレーを一晩寝かせることでウェルシュ菌が好む温度に下がると発芽し、急激に繁殖してしまいます。

どのくらい放置すると危ない?

1gに対し10万個のウェルシュ菌が含まれる食品を食べた場合、食中毒になるといわれています。食環境衛生研究所の実験によると、30℃で保存したカレーは6時間後には1gあたりのウェルシュ菌が10万個を超えてしまうそうです。夏場であれば、半日常温保存するだけでウェルシュ菌による食中毒を起こしやすくなってしまいます。

これはNG!カレーの保存方法

実はNGとされているカレーの保存方法をご紹介します。ご家庭でうっかりやってしまっていないかチェックしてみてください。

半日以上の常温保存

夏場は6時間ほど常温保存するだけでも食中毒の危険性が高まります。基本的に常温保存はしない、するとしても半日以上放置しておくのは控えましょう。

鍋ごと冷蔵保存

面倒だからといって、カレーの入った鍋ごと冷蔵保存するのもNGです。特に大きな鍋の場合、カレーが冷えるまでに時間がかかり、菌が繁殖する可能性があります。

粗熱は2~3時間以内にとるのが好ましく、ウェルシュ菌は酸素がない鍋底のような場所を好むため小分けにして表面積を増やしたほうがいいことから、鍋ごと冷蔵保存はやめたほうがいいでしょう。

2日以上の冷蔵保存

冷蔵保存は1日程度であれば大丈夫ですが、2日以上保存するのはやめましょう。1日程度であっても、カレーの中でウェルシュ菌は生き残っており、時間がたつと発芽して活性化する可能性があります。なるべく早めに食べきるようにしたほうが安全です。

カレーを美味しく安全に食べるには

カレーを作り過ぎてしまった場合はどうすればいいのでしょうか。カレーを美味しく安全に食べる方法をご紹介します。

その日のうちに食べきる

カレーは、その日のうちに食べきるのが一番安全です。なるべく食べきれる量を作るか、作り過ぎてしまった場合はご近所さんにおすそ分けしましょう。

小分けにして冷凍保存

冷凍保存するときは、厚みのある容器か、保存袋に小分けにしましょう。ウェルシュ菌が繁殖しないよう素早く2~3時間以内に粗熱をとることが重要です。

カレーは一晩寝かせずにその日のうちに食べよう

カレーを美味しく安全に食べるには、一晩寝かせずにその日のうちに食べるのが一番です。どうしても食べきれない場合は保存方法に注意して、安全にカレーを食べるようにしましょう。

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