作家、佐藤春夫しのび「筆供養」 出身地の和歌山・新宮市

和歌山県新宮市で営まれた、作家の佐藤春夫をしのぶ筆供養=3日

 和歌山県新宮市出身の作家佐藤春夫(1892~1964年)をしのぶ筆供養が3日、市内で営まれた。文化の日に合わせた市の主催行事で、市民約50人が参列。文化複合施設敷地内の石碑「筆塚」前に、市民が使い古した筆を供えた。

 石碑は66年に建立され、佐藤と信仰が深かった詩人堀口大学(1892~1981年)が「筆塚」と揮毫した。石碑の下には佐藤が愛用した万年筆と毛筆が納められている。

 参列した県立新宮高校3年で書道部部長を務める関杏珠さん(17)は「高校の先輩に当たる文学者の碑に筆を納めることができてとても光栄です。書の上達を願いました」と話した。

© 一般社団法人共同通信社