最上もが「ゲームは救いになることが多い」 小島よしおや呂布カルマとeスポーツ教育の最新事情を学ぶ

最上もが

学校でのeスポーツ教育に力を入れるゲーム業界。実際の教育現場では、どのような形でeスポーツが導入されているのか。高校時代に不登校気味でゲームに救われたタレントの最上もがさん、お笑い芸人・小島よしおさん、人気ラッパーの呂布カルマさん。異色の3人がeスポーツ教育の最前線について深掘りしました。

週3日、ゲームをする授業があるeスポーツ高等学院

名古屋校では20人の生徒が第1期生として入学

2023年の春、名古屋市に開校した「eスポーツ高等学院」。私服や髪型は自由と生徒の個性を生かした校風が特長です。生徒たちは午前10時に登校するほか、校内でのスマホ使用OK。ほかの学校にはない自由な教育環境です。アルバイトをすることも可能だとか。

週3日のゲームの授業は、いくつかのゲームタイトルから選択。ゲームタイトルによっては、東京校の先生からオンラインで授業による指導を受けることもあります。講師はプロゲーマーが多いので、専門性の高い内容を学ぶことができます。

小・中学校の不登校児童は10年で2倍以上

小・中学校における不登校児童生徒数

そんなeスポーツ高等学院は、不登校児童の窓口にもなっています。通信制高校を母体としているので、生徒のサポートが充実。ゲームが通学、復学のきっかけになるほか、将来のeスポーツ界の人材育成を目指します。

近年では不登校が増加。2013年の小・中学校の不登校児童数は約12万人でしたが、2022年には約30万人と、2倍以上も増えています。不登校児童数が増えると同時に、通信制高校の生徒数も増加傾向にあります。

eスポーツを通して育む社会性と友情

学校に行くふりをして屋根の上で待機していた最上もが

不登校児童の現状について知った最上もが。自身も高校時代に不登校気味だったと話します。学校に行くふりをして、自宅でゲームに明け暮れていたそう。「ゲームは救いになることが多い。だからこそ、ゲームをすることを悪い印象で捉えないでほしい。友だちと仲良く遊んで、他者とのコミュニケーションのきっかけとなってほしい」と真摯に語ります。

eスポーツの校内大会を行う名古屋市立八幡中学校の生徒

名古屋市立八幡中学校では、学校活動にeスポーツを導入しています。授業後に生徒が自主的に企画・運営をするサークル活動を行っていて、2022年にeスポーツを取り入れました。

生徒たちは学年や性別の垣根なくゲームを通して交流を深め、社会性を育みます。設備準備や企画を行うだけでなく、ゲーム実況や告知の宣伝制作といった運営にも注力。eスポーツのサークル活動が活発になる過程で、生徒の自主性を育むような環境が整備されているのです。

社会に出たときにつまずかない

「社会に出ると自分で考えないといけない」と語る小島よしお

自主的に学ぶ生徒を見た小島よしおは「授業では先生から一方的に教わることが多いけど、大人になると自分で考えて行動しないといけない場面が多くなります。学生時代からそれを疑似体験できるのは、社会に出たときにつまずかないですよね」と心を動かされた様子。また、呂布カルマも「きっかけはゲームでも、子どもの頃から勉強以外で自分に向いていることが発見できるのは良いこと」と話しました。

eスポーツの教育現場を知った3人は、生徒の個性や自主性を育てる教育環境に、未来の可能性を感じていました。

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