【詳報】神社祭典で引き回しの山車が横転…1人死亡18人重軽傷 緩やかな下り坂の現場で何が?(静岡・伊豆の国市)

3日 午前、静岡・伊豆の国市の神社の祭りで引き回されていた山車が横転し、1人が死亡、18人が重軽傷を負いました。

路上に横倒しになっているのが事故を起こした山車です。

( 北川 雄介 カメラマン)

「横転した際の衝撃でしょうか、山車の装飾が破損し事故の大きさが分かります」

警察や消防によりますと、3日 午前8時40分ごろ 伊豆の国市三福で「高さ3メートルの山車が倒れて人が落ちた。複数人がけがをしている」と119番通報がありました。山車は、現場近くの神社で開かれた祭りで住民らによって引き回され、複数人が乗ってロープで引っ張っていた際に横転したということです。

(坂井 太一 記者)

「山車は白いガードレールの横の坂を下る準備をしていた時に突然走り出し横転したということです」

事故が起きたのは伊豆箱根鉄道駿豆線 田京駅から1キロメートルほど離れた川沿いの道路です。現場は、緩やかな下り坂となっていて、山車は この坂を下る準備中に突然走りだしたということです。

(近くにいた人)

「ガタガタ、ドテン、ドーンって振り返ったら山車が転がっていた」「あれをやってましたよ(心臓)マッサージ」

事故の直前に撮影された画像です。当時、山車には、少なくとも5人が乗り、複数の人が山車を引っ張っているのも確認できます。山車は、この橋を渡って左折した後、横転しました。

この女性は40代の息子が救急搬送されたといいます。

( けがをした男性の母親)

「とっても心配で心配で状況がわからないので」「上の高いところにいたけどどこにいたかは分からない」

この事故で、山車の運行にかかわっていた72歳の男性が死亡、小学生を含む18人が重軽傷を負いました。多くの人が巻き込まれた今回の横転事故はなぜ起きたのか。当時の状況を知る関係者は、次のように話しています。

( 事故の状況を知る人)

「左カーブで山車が行きすぎたので右に舵とってそのときにバターンって」「上りはロープ2本あるが下りは本来両方に引っ張るそれができなかった」「そういうノウハウを知らない人がなっちゃった。コロナで3、4年、それで知らない人がなちゃったのたまたま」

地元の人によりますと、祭りは4年ぶりの開催だったということです。午後も山車を引き回す予定でしたが、事故を受けて中止となりました。警察が、業務上過失致死傷と道路交通法違反の疑いで事故の詳しい原因を調べています。

そして、夕方、撮影された映像です。山車の装飾品を外して、横倒しの状態から元に戻して、伊豆中央警察署に移動させるということです。警察署で山車の状況を詳しく調べるものとみられます。

(スタジオ解説)

警察などによりますと、山車は午前8時、神社近くの公民館を出発し、周辺地区を回り神社へ戻る予定でした。事故は、事故が起きたのは出発から約40分後。山車の運行にかかわっていた72歳の男性が死亡、小学生の男の子をを含む18人が重軽傷を負いました。事故の原因について、祭りの関係者は、現場が緩やかな下り坂となっていて 山車は左カーブで曲がりすぎてしまったため右に舵を切った際に横転したということです。本来坂道では、スピードを緩めるため、山車の後方で進行方向とは逆にロープで引っ張る必要がありますが、後方でロープを引っ張る人がいなかった可能性があるということです。

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