F1第21戦木曜会見:「初日から決勝まで好調だったことに大きな意味がある」リカルド、前戦の走りに“準備万端”の手応え

 F1第21戦サンパウロGPドライバー会見第一部には、年間16勝目を挙げたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)も出席していたが、やはり話題の中心はダニエル・リカルド(アルファタウリ)だった。

Q:先週末メキシコシティGPでの活躍を受けて、「ついにダニエル・リカルドがベストな状態に戻った」と、多くのメディアが報じています。あなた自身は、どう感じていますか?
リカルド:いい週末を過ごせたのはもちろんいいことだし、初日から決勝レースまで好調だったことは、大きな意味がある。ここ1、2年、明らかに苦労してきたからね。でも1回だけでは、僕のなかでは十分じゃないんだ。とはいえ、「これで準備はできた」という手応えを、今は感じているよ

Q:今回のように快適にF1マシンを操れたと、最後に感じたのはいつでしたか。
リカルド:1996年かな(笑)。とにかく、久しぶりのことだ。マクラーレン時代が、いつも悪かったわけじゃない。でも2022年よりも2021年の方が、まだよかったかもしれない。メキシコは僕にとっては今季4レース目でしかなかったわけで、それでもマシンをあれだけ理解できて、僕が求めていたフィーリングを得ることができた。メキシコに向けて大きくセットアップ変更したことが、功を奏したんだと思う

 謙虚な物言いのなかにも、マシンからしっかり戦闘力を引き出し、結果を出したことによる自信も見せるリカルド。そしてもちろん、ユーモアも忘れない。「1996年」にはリカルドはまだ7歳で、ゴーカートも始めていない。それほど昔のことだったと言いたいのだろう。それにしても今回のような好調ぶりを見ると、マクラーレンの暗黒の2年間はなんだったんだろうと思ってしまう。

 ここでリカルドとフェルスタッペンに対し、より微妙な質問が発せられた。しかしこの世界に長いふたりが、不用意なコメントをするはずもない。

Q:ダニエル、メキシコではあなたが活躍したのと対照的に、セルジオ・ペレス(レッドブル)はリタイアしてしまいました。レッドブルでの将来について、たとえば来季のレッドブル復帰について、あなたは上層部と話をしたのでしょうか。そしてマックス、ダニエルがチームに戻ってくることを歓迎しますか?
リカルド:まず、レッドブルとは話し合いはしてない。僕の来年の契約に関することは、すべてアルファタウリに関係しているからね。僕個人としては、メキシコのような週末を過ごすことは、精神的に最高のことだった。もちろん、チームにとってもね。 僕はこのチームに戻ってまだ日が浅いけど、彼らがコンストラクターズ最下位の10位から、わずか2週間でふたつ順位を上げた。それって凄いことだよね。とにかく自分が今いる場所で、精一杯チャージし続けることを心がけているよ

フェルスタッペン:ダニエルとはチームメイトだったときも、もちろんそうでなかったときも、いつも素晴らしい関係を築いてきた。そしてチェコとも、素晴らしい関係だ。ふたりとも最高のチームメイトだし、そもそもこの種の決断を下すのは僕じゃない。来年がチェコでもダニエルでも、僕にとってはどちらも大歓迎だ。仕事の上でも個人的にも、素晴らしい人間だからね。いずれにしてもF1というのは本当にタフなスポーツで、おかげでこういう質問も飛んでくる(笑)。まあ、様子を見てみようよ

2023年F1第21戦サンパウロGP木曜会見 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)&ダニエル・リカルド(アルファタウリ)

 今週末は、今季最後のスプリントフォーマットとなる。ドライバーたちの多くは、この形式に好意的な意見を持っているようだった。

Q:今シーズン最後のスプリントレースを前に、感想を聞かせてください。
リカルド:確かスパも、スプリントだったよね? じゃあ僕は今季出場する5レースのうち、3つがスプリントだったことになる。スプリントのベテランと言っていいね!(笑) いくつかのスプリントレースは好きだったよ。少しは変化がつくしね。でもやっぱり、従来の週末の方が好きだ。どちらか選べと言われたら、僕はオーソドックスな方を選ぶよ。ただ年間23~24戦の半分がスプリントレースなら、ちょっとしたスパイスになるし、反対はしない。MotoGPのように毎週末スプリントにするのは、勘弁してほしいけど

フェルスタッペン:今週末もスプリントを走れることに、とても興奮している。大賛成だよ

バルテリ・ボッタス:練習走行が3回もあるのは、あまり好きじゃない。だから1回だけのフリー走行で、そのまま予選、決勝に臨むのがすごく気に入ってる。もちろん変更すべき点は常にある。たとえば入賞が8位までとかね。でもそれ以外は、スプリントを走れることに満足しているよ

2023年F1第21戦サンパウロGP木曜会見 バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)

カルロス・サインツ:僕もかなり気に入っている。3回もフリー走行をするのは、本当に退屈だから。いつも同じプログラムをこなすんだ。だからフリー走行が1回だけで、そのまま予選に臨めるのはいいね

ルイス・ハミルトン:僕もほぼ同感だね。ちなみに僕がこれまで経験したなかで最高のスプリントレースは、最後尾スタートだったんだ!スプリントレース自体は、19周よりももっと長くてもいいと思う

サインツ:僕はその意見には反対だ。土曜日のレースを今以上に長くすると、日曜日の決勝レースで何が起きるか明らかになってしまうからね。むしろ土曜日は、全然別のことをやってもいいんじゃないかな。リバースグリッドでもシングルラップの予選でも、何でもいい。とにかくスプリントフォーマット自体、今のF1では実験みたいなものなんだから、何がベストなのか、いろいろトライしてもいいと思う

2023年F1第21戦サンパウロGP木曜会見 ルイス・ハミルトン(メルセデス)

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