茨城・つくばの古民家、利用停止に 違反建築、建て替えも検討

つくば市役所=同市研究学園1丁目

茨城県つくば市は、市立中央公園(同市吾妻)で市民の交流の場として活用されてきた古民家「さくら民家園」の利用を停止した。市が老朽化による建物の改修手続きを進める過程で、移築時に必要とされたはずの建築基準法で定められた建築確認申請と検査済証を確認できず、違反建築物と判明していた。

当面は外観の見学のみの利用になる。今後は建て替えも含めて検討し、改めて申請書を提出する予定。

民家園は、旧桜村が1985年に伝統的な農家の暮らしを残そうと、個人から寄贈を受けて移築した。かやぶき屋根の木造平屋建てで、お茶会や着付け体験など市民活動の場として利用されていた。

市生涯学習推進課によると、移築から38年が経過してかやぶき屋根などの老朽化が進み、改修を検討。2018年に市建築指導課で建築確認申請を確認したところ、当時の書類がなかった。

市生涯学習推進課の担当者は「当時、申請が漏れたのかもしれないが、原因は分からない」としている。これまで建物自体の安全性の違反ではないことから公開を続けていたが、今回、老朽化に伴う改修に当たり、11月以降の利用停止を決めた。

今後は、市民の意見を募り、改修と建て替えの両方を視野に検討を行い、改めて手続きする予定。

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