「予選を重視しミディアムを選択した」トヨタ8号車ハートレー。可夢偉は「何が起きたかよく分からない」/WECバーレーン

 11月3日(金)、バーレーン・インターナショナル・サーキットでFIA WEC世界耐久選手権の2023シーズン最終戦『バーレーン8時間レース』の予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の2台のGR010ハイブリッドが予選1〜2番手を獲得。最前列をロックアウトし、4日の決勝に臨むこととなった。

■8号車は3位以上で自力タイトル可能に

 ブレンドン・ハートレーがアタックを担当した8号車GR010ハイブリッドが、1分46秒564という圧倒的なタイムでポールポジションを獲得。小林可夢偉の7号車が0.489秒遅れの2番手で続く結果となった。

 ハートレーとセバスチャン・ブエミ、平川亮の3名がドライブする8号車にとっては、今季2度目となるポールポジションだ。現在ドライバーズ選手権リーダーの8号車はこれにより1ポイントを獲得、ランキング2位の7号車(マイク・コンウェイ/可夢偉/ホセ・マリア・ロペス)に対するポイント差を16へと広げている。8号車は明日の決勝において3位以上でフィニッシュでれきば、2年連続のドライバーズタイトルを自力で決定できることになる。

 日没後の現地時間17時05分よりハイパーカークラスの予選が開始されると、2台のGR010ハイブリッドはミディアムコンパウンドのタイヤでコースインしていった。2周にわたりタイヤを温めた後にアタックに入ったハートレーは、一気にタイムシートのトップへと浮上。可夢偉も2番手につけた。

 2台は翌周のセクター1ではタイムを更新する速さを見せたが、タイヤに厳しいバーレーンではそれ以上のタイムアップは果たせず、15分間にわたる予選セッションの数分を残して2台ともにピットへと戻った。

 ハードコンパウンドを選択した他10台のライバルは、TGRの2台のタイムを上回ることはなく、予選セッションは終了。これにより、トヨタ2台のフロントロウ独占が確定した。

 8時間の長丁場となる決勝レースは、現地時間の4日(土)14時(日本時間同20時)にスタートが切られる予定だ。TGRから第7戦バーレーンの予選に挑んだ2名のドライバーのコメントは、以下のとおり。

7号車GR010ハイブリッドの予選アタックを担当した小林可夢偉

■小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)

「ブレンドン、素晴らしいアタックでのポールポジション獲得おめでとう。正直なところ、私のアタックは完璧ではなく、私自身の練習走行時のタイムには届きませんでした。自分のタイムにちょっと驚いていますし、何が起きたかよく分かりません」

「しかし、2番手には付けられましたし、本当に重要な明日の決勝レースは8時間の長丁場です。タイトル争いという面では、我々7号車がすべきことは何も変わりません。勝つしかありませんし、いつもと同じように臨むだけです。明日は長いレースで、タイヤの摩耗も激しいので、何が起こるかわかりません。ベストを尽くします」

■ブレンドン・ハートレー(8号車)

「ポールポジションを取ろうと決めていたので、達成できて嬉しい。GR010ハイブリッドは最高だった。チームが素晴らしい仕事をしてくれて、すべてのセッティングが決まった」

「ここバーレーンでの予選は、1周のみで決めなくてはならない本当に難しいコースなので、すべてがうまくかみ合う必要がある。自分の感触では、完璧なアタックではなかったが、とてもクリーンなラップだった」

「ポールポジション獲得はチャンピオン争いにおいても重要なので、チームは予選に重きを置き、ミディアムタイヤを選択した。この1点を獲得したことで、7号車が優勝しても我々は3位に入ればタイトルが獲得できることになったので、非常に重要なポイント獲得となった」

「しかし、我々にとってのレースへ臨む姿勢はいつもと変わらず、優勝を目指すのみだ。今年はレーススタート直後のアクシデントが多いので、ポールポジションからスタートできるのは良いことだ」

ポールポジションを獲得した8号車トヨタGR010ハイブリッド。左からセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮

© 株式会社三栄