加治遥と西郷里奈が決勝に進出。12年ぶりに上位2シードの対戦に[全日本テニス選手権]

加治遥と西郷里奈が全日本テニス選手権女子シングルス決勝進出

11月3日、「三菱電機ビルソリューションズ 全日本テニス選手権98th」(東京・有明/10月28日~11月5日)の女子シングルスとダブルスの準決勝が実施。シングルスでは、第1シードの加治遥(島津製作所)と第2シードの西郷里奈(東急スポーツシステム)が決勝進出。12年ぶりの上位2シードによる決勝となる。

今年の全日本選手権女子シングルス決勝の座を先に射止めたのは、第2シードの西郷だった。ラリー戦でのロブやフォアハンドのスライス、ドロップショットを放つトリッキーな第3シードの伊藤あおい(SBCメディカルグループ)に対して、「自分の予想を超えるようなプレーを多かった」と第1セットを4-6で落としてしまう。

だが、「思い切ったショットを打った中で第1セットが取れなかったので、そこは引かずにいたのが良かった」とすぐに立て直す。第2セット以降は、「心を操ってくる」とメンタル面を揺さぶってくる相手に対して、「気持ちと体力の面で負けない自信はあった」と自らを言い聞かせ、ラケットを振り抜いた。第2、最終セットは、先に2ブレークに成功し心の余裕を作って見事な逆転勝ちで初の決勝進出を果たした。

相手となるのは、西郷が「気持ちの面でも大人というか、落ち着いてプレーをしてくる」と評した第1シードの加治に決まった。

加治は準決勝で第7シードの清水映里(東通産業)と対戦し、4-6、6-4、6-1の逆転勝ち。強打が持ち味の清水に苦戦を強いられながらも、「第1セットは自分の球も浅くて、先に展開されるパターンが多かった。まずは自分が質よく、深く打って、前に入れるところをは入ろう」と分析。第2セット以降は、先にブレークしながら追いつかれてしまう場面もあったが、やるべきことは変わらず。ショットのクオリティを高く維持して2セットを連取した。

3度目の準決勝でようやく壁を突破した加治。初の決勝に向けて、「やることはこれまでと変わらず、決勝だからといって力まずに、目の前のポイントにファイトして、自分のやるべきことにフォーカスしてできるようにしたい。(西郷は)よく走りますし、いいショットを持っている選手だと思う。フィジカルで負けないよう3セットになっても戦いきれるように、相手どうこうよりもまず自分ということを意識して頑張りたい」とした。

今大会における女子シングルスの第1、第2シードの対戦は、2011年大会の瀬間詠里花と藤原里華以来、12年ぶりのことである。

<女子シングルス準決勝>

○加治遥(島津製作所)[1] 4-6 6-4 6-1 ●清水映里(東通産業)[7]

○西郷里奈(東急スポーツシステム)[2] 4-6 6-3 6-3 ●伊藤あおい(SBCメディカルグループ)[3]

<女子ダブルス準決勝>

○伊藤あおい(SBCメディカルグループ)/瀬間詠里花(橋本総業)[1] 7-6(5) 6-4 ●今村咲(EMシステムズ)/佐藤南帆(三田興産)[3]

○光崎楓奈(フリー)/松田美咲(橋本総業) 6-2 6-1 ●堤華蓮(慶應義塾大学)/大川美佐(慶應義塾大学)

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