創立30周年「十和田市こども劇団」 12日定期公演 ミュージカル挑戦、練習に熱

節目の第30回定期公演に向け、練習に熱が入るメンバーたち

 今年で創立30周年を迎えた十和田市こども劇団(工藤秀信会長)が12日、十和田市民文化センターで定期公演を行う。2019~22年はコロナ禍で朗読劇が続いたが、今回は広いステージをフルに生かしたミュージカルを披露。メンバーの小中学生は本番を間近に控えて熱のこもった練習を続けており、関係者は「歌やダンスが上達してきた」と手応えを感じている。

 同劇団は1994年7月に発足し、毎年定期公演を開いている。今回の公演の演目は「三つの約束」。ネコのゾルバが原油にまみれたカモメと交わした約束「卵をかえすこと、ひなを守ること、ひなに飛ぶことを教えること」を守るために奮闘する。ルイス・セプルベダの児童小説を基にスタッフの野崎能成さんが脚色、若澤智さんが演出した。

 出演するメンバーは市内の小中学生19人。5月から週1回の練習を始め、9月からは週2回に増やした。11月1日に同市の南コミュニティセンターで行われた練習では、振り付け担当の中野渡敦子さんらから「全身を使って演技を」などと指導を受け、ダンスの動きや発声のポイントの確認に汗を流していた。

 ゾルバを演じる米田蒼(あおい)さん(三本木中3年)は「ゾルバの内面を、台本にないところまで自分なりに考えないと。人間じゃない上にお母さん的な役で(自分には経験がないので)難しいが、子どもを守る気持ちを理解したい」と気を引き締めていた。

 公演は12日午後2時に開演する。入場は無料。

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