ふるさと企業大賞 九州教具、2度目の受賞 ホテル立地で観光に貢献

「ホテル ブリスヴィラ波佐見」。風変わりな屋根のレストラン棟(右)は登録有形文化財の「波佐見講堂」の天井装飾にヒントを得た=波佐見町長野郷

 地域振興に資する事業活動に取り組む民間事業者を顕彰する「ふるさと企業大賞(総務大臣賞)」に、東彼波佐見町長野郷で「ホテル ブリスヴィラ波佐見」を経営する九州教具(大村市)が選ばれた。
 地方公共団体が無利子で貸し付ける国の制度「ふるさと融資」の事務などを担う地域総合整備財団(ふるさと財団)主催。本年度、制度を利用した全国の事業者から、九州教具を含む10社が選ばれた。
 同社は1946年創業。50年に現社名に変更し、事務機器販売業として成長した。96年、ホテル業に参入し、現在グループ会社の「Q-bic(キュービック)ホテルズ」が長崎で3、波佐見1の計4施設を運営している。
 ブリスヴィラ波佐見は同町初の本格ホテルとして2015年オープン。利益を出しながら社会に貢献する「CSV(共通価値の創造)経営」を基本理念に、食器は波佐見焼にこだわり、畑を荒らすイノシシをメニューに採用するなどSDGs(持続可能な開発目標)を意識しながら地域との共存共栄を目指している。
 滞在客の増加で町の観光客数は17年に111万人に達した。コロナ禍で落ち込んだが、昨年は速報値で97万人に回復している。
 九州教具は2005年度にも、長崎市内のホテル事業で同賞を受賞している。
 27日、波佐見町役場で表彰状の伝達式があり、同財団の杉原弘敏参与と前川芳徳町長が同社の船橋修一社長に賞状、盾を手渡した。前川町長は「町内の施設と連携し、観光振興に寄与していただいている」。船橋社長は「私たちを受け入れ、仲間にしていただいた。一緒に発展したいという思いを新たにした」とそれぞれ述べた。

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