青森県産食材、冷食に商機 県の開発支援2年超、112品が商品化 「安全」前面にPR

県産食材を使った冷凍食品の販売イベント。県は今後、販促活動を本格化させる=3日午前、青森市のイオン青森店

 青森県は本年度から、県産食材を使った冷凍食品のPRに力を入れる。市場ニーズの高まりを受けて2021年度、県内企業の開発支援に着手し、これまでに112品が商品化された。県は今後、県内外での販売促進活動を本格化させるといい、その第1弾として3日、青森市のスーパーで販売イベントを開いた。

 「安全で安心な県産食材の冷凍食品です」。同日、青森市のイオン青森店の食品売り場で、県総合販売戦略課の担当者が買い物客に声をかけた。

 冷凍ケースにはナガイモのとろろ、ヒラメの生ハム、バラ焼きといった総菜類に加えて、ゴボウ、カボチャなどのカット野菜を含めて計24商品が並び、買い物客が興味深げに手に取っていた。

 県の冷凍食品開発・販売支援事業は、新型コロナウイルス禍で外食需要が低迷し、その代替として冷凍食品の市場規模が拡大していたのを受けて始まった。食品加工業者の参入や商品開発に向けて市場ニーズを調査したほか、専門家の助言で業者をサポートするなどした。22年度の関連事業費は約3500万円。

 総合販売戦略課によると今年10月までに、同事業などにより112商品が開発された。同課は、手軽に食べられる冷凍食品のニーズ拡大はコロナ後も続くと分析。福士孝一課長代理は「冷凍カット野菜などは海外産が多い。県産品の安全・安心さをアピールすれば、価格がやや割高でも商機はある」とみる。

 21、22年度は商品開発支援に重点を置き、本年度から本格的な販促活動を始めた。県内でのイベントに加えて今後、近畿や東海、九州地方の大手スーパーでの販売、ギフト商品の開発といった戦略を描く。

 同課によると、県産食材の冷凍食品の中には、市場に出ないふぞろいの野菜や規格外の魚などを活用している商品もあるという。福士課長代理は「冷凍食品の消費拡大は食品ロス削減にもつながる。まずは県内の消費者に県産食材を使ったさまざまな冷凍食品があることを知ってもらい、そこから販路を広げていきたい」と話した。

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