「海の紅葉」鮮やか 干潟よか公園「シチメンソウまつり」」

シチメンソウの景色や干潟の生き物を観察する来場者=佐賀市東与賀町の干潟よか公園

 塩生植物「シチメンソウ」の群生地として知られる佐賀市東与賀町の干潟よか公園周辺で3日、「シチメンソウまつり」が開かれた。来場者は見頃を迎えた「海の紅葉」を眺めながら散策を楽しんだ。

 「シチメンソウを育てる会」(石丸義弘会長)などでつくる実行委員会が開き、今年で30回目。来場者はじゅうたんのように赤く広がったシチメンソウを写真に収めたり、望遠鏡で干潟に飛んできた野鳥を観察したりしていた。

 初めて訪れた福岡県春日市の女性(71)は「干潟が赤く染まっていて見応えがあった」と話し、福岡県の大日方奏介君(9)は「シオマネキやカニを10匹も見つけた」と干潟をじっくり観察していた。

 群生地では、2018年に大規模な立ち枯れが発生したが、地元市民団体やボランティアが種まきをするなど再生を図っている。石丸会長は「全体的には復活してきたが、猛暑や豪雨災害で不安定な状況が続く。元気なシチメンソウが戻ってくれれば」と話す。見頃は11月上旬までという。

 まつりでは園児によるステージ発表や米のつかみ取り、バザーも開かれた。(樋口絢乃)

© 株式会社佐賀新聞社