畑岡奈紗「32.15→33インチ」へ パターの長さを変えていたこと知ってた?

パターの長さに調整を加えていた畑岡奈紗

◇日米女子ツアー共催◇TOTOジャパンクラシック◇太平洋クラブ美野里コース(茨城県\\)◇6598yd(パー72)

通算14アンダーの首位タイに立ち、地元開催の日米共催大会を折り返した畑岡奈紗。開幕前にキャディバッグの中をのぞいても、14本のクラブにシーズン序盤からの変更点はほぼなかった。

今年初頭にドライバーやアイアンをガラッと替えたのは既報の通りだが、シーズン終盤を迎えた段階でも、ドライバー、アイアンともにスリクソンの「ZX7 MKII」を継続して使用している。畑岡が“気に入れば替えない”のは有名な話で、これから先も長期政権は続く気配だ。

エースの「ZX7 Mk II ドライバー」。「TENSEIプロレッド1K」を試していたが、「VENTUS TRレッド」を続投(撮影/服部謙二郎)

しかし畑岡は、その陰で人知れずビッグチェンジをしていた。春先の試合でベティナルディのパター「SS3 センター DASS プロト」をシルバーからブラックに替えていた…だけではない。元々32.15インチだったパターの長さを、約2.2センチ長い33インチに変えていたのだ。

この変化に気づいた人は、どれだけいただろうか。見た目ではそれほどの差ではないかもしれないが、本人からすれば大きな変化。アドレスが変わればストロークも変わり、「まだまだ慣れてないんですけど、だいぶイメージは変わりました」と言うのもうなずける。

畑岡は「キャプト(パット解析ソフト)で計測して分かったことですが、今までのスイングアークが小さすぎたんです。それだと速いグリーンなどでは対応できるんですが、遅いグリーンだと振り幅が大きくなって打点ズレが起きやすかった。黒宮(幹仁)コーチとも相談して、パターを長くして円弧を大きくし、もうちょっとパターに仕事をしてもらおうという結論になりました」と理由を説明。アドレスにも「スッと立って、縮こまらないようにしています」と調整を加えたという。

ミヤギテレビ杯のあとに替えた新ヘッド。33インチのセンターマレット(撮影/服部謙二郎)

パターに関しては、長さだけではなくいろいろと試行錯誤を繰り返しており、昨年はヘッド上部に入ったサイトラインの長さを微妙に短くしていた。今年に入ってヘッドの色も変え、9月「ミヤギテレビ杯」の後にもベティナルディの同モデルの別ヘッドに替えていた(ソールのロゴの色が違うぐらいでストックの意味合いが強い)。さらに今週もロフトが0.5度寝てしまっていた(移動による変化とのこと)のを、元々の2.5度に微調整して試合に臨んでいる。

気に入ったモデルを長く使う一方で、良いと感じることは柔軟に取り入れる。勝利に向けたクラブに求めるどん欲な姿勢が、世界の第一線で戦い続けられる秘訣なのかもしれない。

この14本で今季初勝利をつかめるか(撮影/服部謙二郎)

<畑岡奈紗のクラブセッティング>
ドライバー:ダンロップ スリクソン ZX7 Mk II ドライバー(ロフト9.5度)
シャフト:藤倉コンポジット VENTUS TR RED(重さ50g台、硬さS)

フェアウェイウッド: ダンロップ スリクソン ZX Mk II フェアウェイウッド(3番15度)
シャフト:藤倉コンポジット VENTUS TR RED(重さ50g台、硬さS)

ユーティリティ:ダンロップ スリクソン ZX ハイブリッド(3番19度、4番22度)
シャフト:藤倉コンポジット VENTUS ブルー HB(重さ70g台、硬さS)※日本未発売

アイアン:ダンロップ スリクソン ZX7 Mk II アイアン(5番~PW)
シャフト:トゥルーテンパー スチールファイバー i95

ウェッジ:クリーブランド RTX 6 ZIPCORE ウェッジ(50、54、58度)
シャフト:トゥルーテンパー スチールファイバー i110 cw

パター:ベティナルディ SS3 センターDASSプロト

ボール:ダンロップ スリクソン Z-STAR ダイヤモンド

ダンロップ スリクソン ZX Mk II フェアウェイウッド(3番15度)(撮影/服部謙二郎)
ダンロップ スリクソン ZX ハイブリッド(3番19度)(撮影/服部謙二郎)
ダンロップ スリクソン ZX7 Mk II アイアン(5番~PW)(撮影/服部謙二郎)
クリーブランド RTX 6 ZIPCORE ウェッジ(58度)(撮影/服部謙二郎)
今週からパターカバーも変更。愛犬のイラスト入りだ(撮影/服部謙二郎)

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