堅守復活の福岡がクラブ史上初のタイトル獲得!終盤の劣勢耐え抜き浦和に逃げ切り勝ち【ルヴァンカップ】

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4日、YBCルヴァンカップ決勝のアビスパ福岡vs浦和レッズが国立競技場で行われ、2-1で福岡が勝利を収めた。

クラブ史上初の決勝進出を果たした福岡と、7年ぶり3度目の大会制覇を目指す浦和が激突した。

福岡は名古屋グランパスとの準決勝では、第1戦、第2戦ともにウノゼロ勝ち。守備強度と一刺しを見せつけた。一方で直近のリーグ戦では2試合連続の大量失点。"再堅"の必要性に迫られた。

対する浦和は横浜F・マリノスとのセミファイナルで、敵地での第1戦を0-1と落としながらもホームでの第2戦で2-0と逆転勝ち。決勝へと駒を進めた。ただ、直近の公式戦2試合、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)とJ1では無得点に。こちらも課題と向き合いながらの決勝に望んだ。

晴天の下でキックオフを迎えた一戦は、森山公弥が立て続けに2本のシュートを放つなど、中盤での強度高く入った福岡が開始早々に試合を動かす。

右サイドの深い位置で受けた紺野和也が荻原拓也と対峙し、瞬時の加速で縦に仕掛けてグラウンダーで折り返すと、飛び込んだのは前寛之。この日は2列目で起用されたキャプテンが合わせてネットを揺らした。

福岡は出足の良い守備が光り、ポゼッションを許した際には強固な[5-4-1]を形成。タイトルマッチの経験豊富な浦和に対し、堅守速攻を体現する。

パスが引っ掛かる場面が散見されるなど、ボール回しにリズムが出ない浦和。流れを変えようと、35分には岩尾憲が距離のある中でミドルを狙うが状況は変化せず、再び福岡にゴールを
許してしまう。

41分、42分とセットプレーから宮大樹のヘッドが続いた福岡は、前半のアディショナルタイムにもカウンターから左CK獲得すると、二次攻撃から追加点を奪取。左サイドで紺野が仕掛けてまたも低いボールを供給すると、宮が左足でニアへ流し込み、福岡がリードを広げて前半を終えた。

ハーフタイムには福岡が金森健志を、浦和は安居海渡と大久保智明を投入した中で、後半最初に決定機を迎えたのは福岡。55分、ドウグラス・グローリが力強いドリブルでボックスへ侵入すると、マリウス・ホイブラーテンのファウルを誘発。PKを獲得した。

だが、浦和はこの窮地を守護神が救う。左下隅を狙った山岸祐也のシュートをGK西川周作ががっちりとキャッチした。危機を脱した浦和は、61分に明本考浩とブライアン・リンセンの2枚替えで前への圧力を高めると、攻勢が実ったのは67分。酒井宏樹の対角フィードを左ポケットの明本が胸コントロールで収め、左足の一撃を沈めて1点を返す。

これで流れは大きく浦和に傾き、79分にはホセ・カンテが狙いすました右足ミドルを放つが、福岡もGK永石拓海が好セーブを披露する。

福岡は以降も守勢が続いたものの、後半アディショナルタイムのホセ・カンテのシュートは左ポストに当たるなど、運も味方に。我慢に我慢を重ねて歓喜のタイムアップを迎え、ルヴァンカップ初優勝とともにクラブ史上初のタイトルを獲得した。

アビスパ福岡 2-1 浦和レッズ
【福岡】
前寛之(前5)
宮大樹(前49)
【浦和】
明本考浩(後22)

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