山車8基ぶつけ合い五穀豊穣願う 津山・阿波八幡神社で花祭り

山車の「花」をぶつけ合う氏子たち

 津山市阿波の阿波八幡神社で3日、岡山県重要無形民俗文化財の「花祭り」があり、氏子たちが五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全を願い、「花」と呼ばれる傘形の山車8基をにぎやかにぶつけ合った。

 花は高さ2.7メートルの木の支柱先端に、細長く割いた竹80本を放射状に取り付け、赤や黄の色紙、風車、造花などを装飾して柳や桜に見立てたもの。氏子の8町内会がそれぞれ作り上げた。

 神事の後、参道が通る旧阿波小グラウンドに移動。全ての竹が抜け落ちるまで花を何度も衝突させ、「ガシャーン、ガシャーン」と激しく擦れ合う音と、「おりゃー」「うおー」と威勢のいいかけ声を響かせた。

 新型コロナウイルス禍で、花をぶつけ合ったのは4年ぶり。落ちた竹は屋根に飾ると火災よけになるとされ、4本を手にした近くの女性(68)は「屋根に投げ上げ、落ちたら家の外に1年間くくり付けておく。にぎやかな雰囲気で楽しかった」と話した。

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