●昨年、ほぼ同額で落札2件
志賀町発注工事の入札を巡る贈収賄事件で、青谷工業社長の青谷武容疑者（83）＝同町徳田＝が、石川県警の取り調べに対し「（逮捕容疑とは）別の工事でも町長に便宜を図るよう依頼した」という内容の供述をしていることが4日、捜査関係者への取材で分かった。同社は昨年、町発注工事2件について、最低制限価格をいずれも1100円だけ上回る額で落札している。県警はこれらの入札に関し情報漏えいや金銭授受がなかったかどうか慎重に調べている。
武容疑者は、妻で青谷工業取締役の青谷勝美容疑者（76）と共謀。配水管更新工事の指名競争入札に関して便宜を図ってもらうため、6月下旬に志賀町長の小泉勝容疑者（57）＝同町町（まち）＝と妻で会社役員の美穂容疑者（56）に現金50万円を渡したとされる。7月上旬に小泉容疑者らから教えられた最低制限価格827万6千円と同額で、7月6日に落札した疑いが持たれている。
捜査関係者によると、武容疑者は「現金を贈ったことに間違いない」と容疑を認め、同社が落札した別の工事についても不正があったことをほのめかしているという。
志賀町の指名競争入札で青谷工業は、昨年7月に配水管工事を1804万4400円（税込み）、同9月に下水道管工事を903万5400円（同）でそれぞれ落札した。いずれも最低制限価格をわずか1100円上回る落札額で、最低制限価格は小泉容疑者が決定していた。
捜査関係者によると、小泉勝容疑者は逮捕容疑を認める供述をしており、町長を辞職する意向を地元関係者に伝えている。
