イスラエル軍、ガザ市の市街地に 国防相「南北から攻撃」

ガザ地区との境界に近いイスラエル側で戦車に乗るイスラエル兵=3日(ロイター=共同)

 【エルサレム、カイロ共同】イスラエルのガラント国防相は4日、パレスチナ自治区ガザ北部の中心都市、ガザ市を南北から攻撃し、市街地に入ったと明言した。イスラエル軍はイスラム組織ハマスの中核拠点だとするガザ市の包囲を完了、掃討を目指して攻勢をかけている。

 中東歴訪中のブリンケン米国務長官は4日、イスラエルが民間人被害回避のため「あらゆる措置を取らなければならない」と訴えた。

 ガザ市は密集地で、ハマスが地下トンネル網を構築している。掃討作戦は時間がかかる見通しで、ガラント氏は「一歩一歩進展している」と述べた。戦闘激化による民間人の死傷者増加が懸念されている。

 イスラエル軍とレバノンの民兵組織ヒズボラの交戦は両国国境地帯で継続。ガラント氏は「ヒズボラとの戦争に関心はない」と改めて述べる一方、空軍がどのような展開にも対応できる態勢を維持していると強調した。

 ブリンケン氏はヨルダンでの記者会見で、民間人保護や支援物資搬入のため一時的な戦闘中断が必要だと改めて語った。

4日、パレスチナ自治区ガザ北部で、夜空に光るイスラエル軍の照明弾(AP=共同)

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