18年準優勝の徳田廉大とプロ転向1年目の白石光が決勝で対戦[全日本テニス選手権]

徳田廉大と白石光が初優勝をかけて決勝で激突

11月4日、「三菱電機ビルソリューションズ 全日本テニス選手権98th」(東京・有明/10月28日~11月5日)の男子シングルス準決勝が行われ、第5シードの徳田廉大(イカイ)と第7シードの白石光(SBCメディカルグループ)の2人が決勝に進んだ。

まず決勝に駒を進めたのは第7シードの白石。準決勝の相手は「キテますよねぇ」と予選から勝ち上がった勢いを警戒していた上杉海斗(江崎グリコ)。その悪い予感は当たり、「上杉選手が攻めてくるのはわかっていたが、それを越える攻撃力とサーブ力で何をしていいのかわからない状況になった」と第1セットは2-1から5ゲームを連取され、28分で落としてしまった。

だが、第2セット以降は「毎ポイント、声を出して頑張ろうと思い、そうすると自分の体が良い動きに繋がっていった」と、上杉の疲れが見えた隙を逃さなかった。6-3でセットを奪い返し、最終セットは5-0とリード。「(コートの)角を狙わている感がずっとあるので、ずっと怖かった」としながらも安定したストロークで上杉を上回り、見事な逆転勝ちでプロ転向1年目にして決勝進出を決めた。

ジュニア時代はほとんどの全国タイトルを手中に収めてきた白石。「決勝に来れたのは正直早いなと自分でも思うが、来年また勝ち上がれるとも限らない。数少ないチャンスだと思っているので優勝したい」と口にした。

全日本のタイトルをかけて対戦するのが第5シードの徳田だ。ベテランの片山翔(伊予銀行)と対戦した準決勝では、「片山選手が低いボールが好きでうまいので、自分が付き合うと相手に有利になるだろうなと試合前から思っていたので高いボールは混ぜようと考えていた」とスピンの利いたフォアハンドを相手のバックハンドに多く配球。すると、ラリーのテンポも変わり、チャンスボールも増えた。

第1セットをピンチなくワンチャンスをものにして6-4で奪うと、第2セットは2-4のビハインドに。流れを失いかけたが、「ニューボールに変わった1ポイント目でセカンドサーブになったので、ここは行くしかないとギアを上げた」とリターンダッシュを仕掛けてブレークバックに繋げると、最後まで勢いは止まらなかった。

5年ぶりの決勝進出。2018年はまだ20歳と若く、第2シードで出場し「シードを守ろうという気持ちが強くて、準決勝を勝ってちょっとホッとした自分がいた。会見では勝ちますと言ったけれど、満足してしまった」と決勝では第1シードだった伊藤竜馬に3-6、0-6の完敗。「最悪の決勝戦だった」と徳田は振り返る。

だが、今回は違う。今季は左膝の怪我が再発し、海外遠征に行ってもすぐに日本に帰ってくることの繰り返し。満足にプレーすることができておらず、3ヵ月前に思い切って休養することを決断し、今大会に照準を絞った。「ここに臨む気持ちだったり、決意は誰よりも強い。全然満足してない。優勝しか見えてないですね、今回は」と相手こそ違えど、5年前の借りを返すつもりだ。

<男子シングルス準々決勝>

○白石光(SBCメディカルグループ)[7] 2-6 6-3 6-2 ●上杉海斗(江崎グリコ)[Q]

○徳田廉大(イカイ)[5] 6-4 6-4 ●片山翔(伊予銀行)[9]

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