加治遥が11度目の挑戦で全日本チャンピオンに「やっと獲れた」[全日本テニス選手権]

第1シードの加治遥が全日本選手権初優勝

11月4日、「三菱電機ビルソリューションズ 全日本テニス選手権98th」(東京・有明/10月28日~11月5日)の女子シングルス決勝が行われ、第1シードの加治遥(島津製作所)が、第2シードの西郷里奈(東急スポーツシステム)を6-3、6-2のストレートで下して、11度目の挑戦にして大会初優勝。「やっと獲れた」と初タイトルを喜んだ。

12年ぶりに上位2シードによる決勝となった女子シングルスは、プロ転向から7年目の加治が11度目の挑戦にして、ついに全日本のタイトルを手中に収めた。

試合は、積極的に攻撃を仕掛ける西郷に対して加治はそれをしっかり受け止める形。「優勢になってもすごいいいプレーで押し返された」と西郷の攻めの姿勢に苦しめられた。

それでも、試合前から「慌てずにしっかり走る場面とカウンターを使って先に展開する場面の2つ、攻めと守りを自分の中で使い分けてやろう」と加治は心に決めていた。

デュースにもつれるゲームも多く、互いにブレークポイントが訪れた。その中、7度のリターンゲームでチャンスを手にした加治は、計5度のブレークに成功。スコア上で常にリードを奪って悲願のタイトルを手にした。

試合後はいつも通りの笑顔を見せていた加治だが、表彰式で「ようやく実感が湧いてきた」と目に涙を浮かべた。2017年のプロ転向直後は順調に世界ランキングを上げて200位台後半まで上げたものの、その後は伸び悩んだ。だからこそ、「優勝できて本当にうれしいというのが率直な気持ちですし、やっと獲れたなというのが正直なところ」と今回の優勝を喜んだ。

そして、9月にはキャリアハイとなる213位を記録しているものの、現在は260位と来年の全豪オープン予選は未確定。大きな自信を手にして、「もっとジャンプアップできるように来年以降もどんどんトライしていきたい」と飛躍を誓った。

<女子シングルス決勝>

○加治遥(島津製作所)[1] 6-3 6-2 ●西郷里奈(東急スポーツシステム)[2]

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