【那珂川】第2回なかがわ清流マラソン大会が1週間後の12日に迫る。最長のハーフは、終盤の約4キロを堤防上に設定するなどコースを大幅に変えた。「自然豊かな那珂川沿いを堪能してもらうため」と狙いを話す町の担当者。だが、コースの魅力は那珂川だけではない。遺跡やキャンプ場、温泉。新コースを付近のスポットとともに紹介する。
■繁栄時に思いはせ
スタートは町小川総合福祉センター。県道52号や町道を経由し、県道285号に入った付近にあるのが国指定史跡の「那須官衙(かんが)遺跡」だ。701年の大宝律令で成立した那須郡の役所とされる。町なす風土記の丘資料館によると、同遺跡からは硯(すずり)の破片が出土し、瓦ぶきの倉庫とみられる大型の建物跡も見つかっている。
コースから直接見ることはできないが、正倉跡地には、建物の柱の位置が分かる石が残る。同館の菊池悠子(きくちゆうこ)学芸員(39)は「石の位置で大きさが想像できる。当時の一般家庭と比べても相当な大きさ」と解説した。
■大会後の夜は星空を
コースは遺跡周辺を過ぎ、浄法寺橋手前で折り返す。町小川運動場テニスコート北側の交差点から北上。15キロ地点にあるのが「まほろばキャンプ場」。オートサイト8区画、テントサイト9区画がある。
「静かでのどかな雰囲気が人気」と話すのはキャンプ場の統括責任者斎藤力(さいとうちから)さん(65)。夜は周囲に明かりが少なく、星空観賞にうってつけ。斎藤さんは「那珂川の対岸には町温泉施設『ゆりがねの湯』もある。大会後は温泉に入って、キャンプも楽しんでみては」と勧める。
■快走直後の疲労回復に
終盤は清流からのそよ風を感じながら河川敷を南下する。国道294号の若鮎(あゆ)大橋西交差点で折り返し、たどり着くゴール地点には日帰り温泉施設「まほろばの湯」。サウナや電気風呂は酷使した足腰を癒やすのに最適だ。男湯の露天風呂からは、今後1週間の天候次第で那珂川対岸の紅葉も味わえそうだ。
大会当日、出場者と同伴者はゼッケンの提示で入館料の割引がある。津浦和徳(つうらかずのり)支配人(59)は「頑張って走った後は、帰る前に温泉で疲れを癒やしてほしい」と呼びかけている。
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町によると、大会全体の出場者は8割以上が町外在住者。ハーフのスタートは午前9時で、大会は昼過ぎには終わる見込み。残り半日、コース周辺を改めて巡ってみては。