横浜の小学生、タクシーで送迎の実証実験 習い事などの保護者負担を軽減 12月に市内3区でスタート

横浜市役所

 保護者に代わり、小学生を習い事教室や医療機関まで相乗りタクシーで送迎する全国的にも珍しい実証実験が12月、横浜市鶴見、中、青葉の3区で始まる。配車システムを手がける地元のIT企業を中心に、他業種の企業・団体と行政が連携。有料サービスとして来年2月まで展開する。

 実証実験の主体は「こどものみらい共創プラットフォーム」。hab(ハブ、同市西区)をはじめ、教育・医療関連の事業者やタクシー会社、市と県などで構成する。国土交通省のモデル事業として採択され、国費の補助を受ける。

 実証実験では、対象の3区に複数の停留所を設定。利用者から専用アプリで乗り降りしたい場所と時間を受け付け、人工知能(AI)ではじき出したルートに沿って相乗りタクシーを走らせる。乗車するのは小学生のみのため、スタッフが見守り役を担う。利用条件や料金、乗降地点などの詳細は今後公表する。

 ハブなどは今年3月にも同様の実証実験を小規模で実施し、好評を得たという。市も過去の調査結果から、習い事教室への送迎負担の軽減は保護者のニーズが高いとみる。市役所での会見に出席した同社の豊田洋平社長(36)は、幼少期に母親が時間の工面で苦労したという経緯に触れ、「来年中にも事業を本格化し、子育て世帯の希望の光になれば」と力を込めた。

© 株式会社神奈川新聞社