【ラグビー】<見どころ>明大のアタックに、慶大のディフェンスがどこまで食い下がれるかに注目 接戦に持ち込み紫紺撃破へ/関東大学対抗戦 第5節 対 明治大学

2023年11月5日(日)関東大学対抗戦Aグループ 対 明治大学 @熊谷

関東大学対抗戦Aグループ 第5節
慶應義塾大学	2023/11/5(日)14:00 K.O.	明治大学
前半	後半	ロスタイム:	前半	後半
トライ(T)
コンバージョン(G)
ペナルティゴール(PG)
ドロップゴール(DG)
計
合計
得点者

早くも開幕から2ヶ月が経ち、佳境を迎えた対抗戦。慶大はここまで4戦を終え3勝1敗、残すは明大、早大、帝京大の3試合となった。ここからは特に強豪との試合が控えているが、最初の相手は明大。そこで、両者の戦いを振り返る。

慶大ラグビー部は、日々成長している。1戦目ではロスタイムの末、筑波大に惜敗するもロスタイムでの戦い方、勝利への締め方を教訓として得ることができた。2戦目ではその教訓を活かし、ロスタイムで大逆転勝利。3戦目ではビハインドの展開から得点を詰めていき、最終的にスコアで勝利。4戦目ではFW陣が力勝負で圧倒し、BK陣の展開も冴え勝利した。得点源としてはFWがスクラムやモールで取り切ることや、FWの前進で起点を作り山田響(総4・報徳学園)や永山淳(総4・國學院久我山)を中心としたBKで展開しスコアすることだ。「ディフェンスをしながら前に出る」ラグビーが真髄の慶大。青貫監督はディフェンスについて、「まだ目指しているところは遠い」と、まだまだ成長の途中であることを示した。明大戦でも、どのようなディフェンス、そしてアタックを見せてくれるかに注目したい。

「進化」を続ける岡組

一方の明大だ。青山学院大戦では87-7、成蹊大戦では93-12、筑波大戦では40-21、立教大戦では 97-7。4試合で317得点と破壊力を存分に示しており、FWの「パワー」とBKの「スピード」の融合で大量得点を重ねてきた。その中で、3戦目の筑波大戦では苦しい展開も続いた。幸先よく先制するも、前半36分にはモールをうまく仕掛けられ失点。前半終了間際には、相手のキックパスがうまくハマり同点に追いつかれた。後半早速に勝ち越しを許すも、ここで紫紺のプライド、重戦車のFW陣が目を覚ました。モールで一気に押し込み同点に追いつくと、その後もFWが近場のアタックで相手のタックルを受け付けない強さを発揮しはじめた。自陣からキックすることなくFW陣の強さだけでぐいぐい前進すると、最後は廣瀬雄也(商4・東福岡)、伊藤耕太郎(商4・報徳学園)の2人のトライ。その後もペースを落とすことなくロスタイムでもFL・福田大晟(商3・中部大春日丘)がダメ押しのトライ。明大の自力を見せつけた試合となった。

FW陣のセットプレーにも注目したい

「前へ」。明大は4戦とも、その一言を体現する戦いぶりを見せている。タックルを受けても倒れずにぐいぐい前進し、仮に倒されても倒されながらオフロードで繋ぐFW陣。そしてスピードで振り切るBK陣、この15人の噛み合わせで「前」に出る戦い方だ。しかし、ただ前に出るだけではなく、伊藤を核として、西川賢哉(政経4・桐蔭学園)と安田(商3・御所実業)にボールを持たせようという左右の展開力も凄まじい。コートを幅全体に利用するスキル、左右へ前へ攻撃してくる。一人ひとりのキャリーの強さ、チームでの縦横無尽な展開力に注意したい。相手の多彩な攻撃に、自慢のディフェンスがどこまで食い下がれるか、そしてチャンスをモノにできるかに勝負の行方がかかっているだろう。慶大の強みとしては、接戦を経験していることだ。そして、接戦を勝ち切ることができることだ。ミスすれば負けるかもしれないという中で、一つのパス、ラン、キック、セットプレーにかける集中力が磨かれている。一方の明大は、大勝した試合がほとんどであり、1点を争う接戦の経験がほとんどない。慶大は愚直に体を張る守りを見せ、失点を20点ほどに食い止め、ロースコアの展開に持ち込みたい。そして、1点を争う攻防の中で、ノーサイドの時点で慶大が明大より1点上回る、そんな試合展開が期待されるだろう。

(記事:野上 賢太郎)

慶應義塾大学
#	氏名	身長(cm)/体重(kg)	学年学部	出身校
1	木村 亮介	173/103	環4	慶應
2	中山 大暉	176/102	環3	桐蔭学園
3	岡 広将	173/107	総4	桐蔭学園
4	シュモック オライオン	181/100	環4	Mount Albert Grammar School
5	中矢 健太	184/104	総3	大阪桐蔭
6	樋口 豪	174/98	文4	桐蔭学園
7	富田 颯樹	173/93	経4	慶應志木
8	冨永 万作	187/102	商3	仙台第三
9	橋本 弾介	169/77	法2	慶應
10	山田 響	174/82	総4	報徳学園
11	佐々 仁悟	173/80	総4	國學院久我山
12	三木 海芽	167/83	総4	徳島県立城東
13	永山 淳	188/94	総4	國學院久我山
14	大野 嵩明	177/80	法4	慶應
15	今野 椋平	183/86	環2	桐蔭学園
16	酒井 貴弘	169/98	商4	慶應
17	井上 皓介	176/106	経4	慶應
18	小松 秀輔	177/105	環4	名古屋
19	浅井 勇暉	188/107	総3	仙台
20	田沼 英哲	176/94	総3	國學院久我山
21	小城 大和	168/73	商3	北嶺
22	伊吹 央	176/81	経2	慶應
23	磯上 凌	172/81	商3	青山学院
明治大学
#	氏名	身長(cm)/体重(kg)	学年学部	出身校
1	床田 淳貴	178/102	情コミ4	桐蔭学園
2	松下 潤一郎	172/99	法4	筑紫
3	為房 慶次朗	180/111	文4	常翔学園
4	山本 嶺二郎	191/111	法4	京都成章
5	佐藤 大地	183/100	法3	國學院栃木
6	最上 太尊	183/102	商2	仙台育英
7	福田 大晟	173/95	商3	中部大春日丘
8	木戸 大士郎	185/104	文3	常翔学園
9	萩原 周	173/76	商4	大阪桐蔭
10	伊藤 耕太郎	176/85	商4	國學院栃木
11	海老澤 琥珀	173/78	情コミ1	報徳学園
12	廣瀬 雄也	179/94	商4	東福岡
13	平 翔太	175/90	商2	東福岡
14	安田 昂平	181/87	商3	御所実業
15	秋濱 悠太	174/85	商3	桐蔭学園
16	西野 帆平	176/104	文2	東福岡
17	中山 律希	169/108	政経4	天理
18	古田 空	178/112	商4	明大中野
19	物部 耀大朗	192/118	商1	中部大春日丘
20	利川 桐生	181/101	政経2	大阪桐蔭
21	登根 大斗	165/72	法3	御所実業
22	伊藤 利江人	173/72	商1	報徳学園
23	東 海隼	181/80	情コミ2	光泉カトリック
慶應義塾大学	明治大学
101.1kg	FW平均体重	103kg
809kg	FW合計体重	824kg
177.6cm	FW平均身長	180.6cm
帝京大	明大	早大	慶大	筑波大	立大	青学大	成蹊大	勝	敗	分	勝点
帝京大	———	11/19	11/5	12/2	○	○	○	○	4	0	0	20
明大	11/19	———	12/3	11/5	○	○	○	○	4	0	0	20
早大	11/5	12/3	———	11/23	○	○	○	○	4	0	0	19
慶大	12/2	11/5	11/23	———	●	○	○	○	3	1	0	14
筑波大	●	●	●	○	———	12/2	11/19	11/5	1	3	0	5
立大	●	●	●	●	12/2	———	11/5	11/19	0	4	0	1
青学大	●	●	●	●	11/19	11/5	———	12/2	0	4	0	0
成蹊大	●	●	●	●	11/5	11/19	12/2	———	0	4	0	0
◎勝ち点の多い順に順位決定を行う。(並んだ場合は勝利数で決定)

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