クラブ史上最低のJ2・21位確定、凋落の大宮に残されたJ2残留の唯一の道はFC大阪に託されることに

2023シーズンのJ2で21位フィニッシュが確定した大宮アルディージャ[写真:©︎J.LEAGUE]

4日、明治安田生命J2リーグ第41節が行われた。

今シーズンはすでにFC町田ゼルビアの優勝とJ1昇格が決定している一方で、自動昇格枠と昇格プレーオフ圏の争い、そして残留争いもツエーゲン金沢の21位以下がすでに決定しているものの、残り1枠を争っていた。

そんな中、4日には自動昇格権を争う2位の清水エスパルスと、降格圏の21位に位置する大宮アルディージャが直接対決。清水が4-0で圧勝し自動昇格権をキープ。一方で、大宮は21位が確定し、来シーズンのJ3降格が限りなく近づいてしまった。

かつてはJ1で10シーズン戦い、常に残留争いに巻き込まれながらも降格しないことから「お守り」が受験生にも人気だった大宮。2014年にJ2へ降格するものの、2015年に優勝して1年で昇格を果たすと、2016年のJ1では史上最高位となる5位でフィニッシュした。

同年は天皇杯でも2005年以来のクラブ最高位となるベスト4入りを果たすが、このシーズンを最後に転落の一途を辿ることに。クラブ最高位のシーズンながら主軸を引き抜かれると、堅守速攻のスタイルからポゼッションに転換もハマらずに、2017年にJ1最下位で降格した。

2018年からはJ2生活が続き、昇格プレーオフに進出も1回戦で2年連続で敗退となると、2020年はJ2で15位、2021年は降格もちらつく中で16位、2022年はさらに順位を落とし19位、そして203年は21位とついにJ3降格圏でシーズンを終えることが決定した。

ただ、まだJ3降格が決まったわけではない。残されたルートがたった1つだけある。それが、明治安田生命J3リーグを戦うFC大阪の結果だ。

◆J2残留に残された唯一のルート

FC大阪は今シーズンからJ3に参入。1年目ながら好成績を残し、33試合を終えた時点で勝点49の5位に位置している。

1年でのJ2昇格も見えた中、クラブのアカデミー施設が未充足とのことでJ2クラブライセンスが交付されず、今シーズンの昇格の夢は潰えてしまった。

ただ、これが大宮を救う可能性につながる。J3の上位を争う中で、FC大阪だけがJ2昇格の可能性がない状況。FC大阪が2位フィニッシュとなれば、J2降格は金沢の1チームだけになる。

2位の鹿児島ユナイテッドFCと5位のFC大阪の勝ち点差は第33節終了時点で「8」。シーズンは残り5試合であり、数字上は逆転が可能だ。

両者の直接対決はないため、簡単な差ではないが、FC大阪は残り5試合で福島ユナイテッドFC(H/16位)、SC相模原(A/19位)、テゲバジャーロ宮崎(H/18位)、FC今治(A/4位)、愛媛FC(H/1位)と対戦。下位と上位とハッキリした相手が残っている。

完全に他力本願となるが、大宮には救いの神がまだいる状況。昇格が潰えたFC大阪も、結果だけでも2位以内にという思いは強いだろう。

ただ、大宮としては仮にJ3降格を逃れたとしても、近年の凋落ぶりは必ず原因があり、向き合う気がなければ来季以降に降格する可能性は十二分にある。J2でクラブ最低の21位という成績は、どんな結末になっても変わらない事実。将来のためにも、来シーズンに向けてどう向き合っていくかが重要となる。

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