きらびやか朝鮮通信使 行列再現 瀬戸内、日韓100人が港町歩く

朝鮮通信使の再現行列で、華やかな衣装をまとって港町を歩く参加者

 江戸時代に朝鮮王朝が日本に送った外交使節団「朝鮮通信使」を再現した行列が5日、寄港地の一つ、瀬戸内市牛窓町地区で行われた。日韓の約100人が華やかな衣装で港町を歩き、観光客らを魅了した。

 色鮮やかな民族衣装のチマ・チョゴリなど異国情緒あふれるいでたちで、韓国の楽器を演奏しながら牛窓港近くの出島公園を発着点に約3.2キロを行進。市が友好交流協定を結ぶ韓国・密陽(ミリャン)市の中学生らも新型コロナウイルス禍を経て5年ぶりに姿を見せた。終了後のセレモニーでは李相烈(イサンヨル)・駐神戸韓国総領事と武久顕也市長が“国書”を交換し、善隣友好の精神を確認した。

 行列に父親が参加した赤磐市の主婦(33)は「行列はきらびやかで見応えがある。父の勇姿を見ることができ、子どもたちも喜んでいた」と話していた。

 地元住民らでつくる実行委が2010年から開いている瀬戸内牛窓国際交流フェスタのメイン行事。日韓の食文化を楽しめるマルシェや、伝統芸能のステージもあった。

 通信使に関する当時の外交資料は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録されている。

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