首相膝元、自民推薦敗れる 広島・海田町長選で現職

 任期満了に伴う広島県海田町長選が5日投開票され、無所属新人の竹野内啓佑氏(43)が自民党推薦の無所属現職西田祐三氏(71)を破り、初当選した。同町は衆院選の小選挙区定数「10増10減」に伴い、岸田文雄首相が自民支部長の衆院広島1区に含まれる。首相のお膝元で自民推薦候補が落選し、県連幹部は「印象が良くないのは確かだが、町政と国政は関係ない」と強調した。

 西田氏は公民館跡地の活用策などを巡り町議会との関係が悪化。議会は3度にわたり問責決議を可決した。一部の自民県議らの支援を受け、町役場の新築移転をはじめ2期8年の実績をアピールしたが及ばなかった。

 元広島市職員の竹野内氏は政党の支援を受けず、子育て施策の拡充や住民との対話機会創出を訴えた。西田氏と距離を置く町議らが応援した。

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