吉田広樹「フォローし合った結果のチャンピオン」川合孝汰「安定してポイント圏内で走れたことが大きい」【GT300チャンピオン会見】

 2023年スーパーGTの最終戦となった第8戦『MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL』の決勝後、栃木県のモビリティリゾートもてぎで2023年シーズンのシリーズチャンピオン会見が行われた。初のタイトル獲得となった埼玉トヨペットGB GR Supra GTの吉田広樹と川合孝汰、青柳浩監督が登壇し、チャンピオンシップを制した喜びを語った。

川合孝汰/第1スティント担当

「本当に嬉しいの一言です。僕は埼玉トヨペットさんから参戦させていただいて今年で4年目ですが、デビューした2020年がコロナ禍で従来どおりのスケジュールで進まなく、右も左もわからない状況でした」

「ですので、監督をはじめ吉田選手やチームのメカニックさん、関係者の方々にたくさん教えていただくことが多かったです。その恩を結果として返していきたいと思っていながらも、あと一歩届かないことが2、3年続いていました」

「今回シリーズチャンピオンとして結果を残せたこと、メカニックの皆さんの笑顔、チームの皆さんのホッとした顔をみることができたのが非常に嬉しいです」

「(今シーズンを振り返ると)第2戦の富士と第3戦の鈴鹿で連続して表彰台に上がることができたのが大きかったです。今年はポイントをしっかりと獲ることのできたシーズンで、過去3年は取りこぼしがあり、追う立場でポイントが離れていたので厳しい状況でした。だからこそ、今シーズンは安定してポイント圏内で走れたことが一番大きかったです」

チャンピオン会見に出席した川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)

吉田広樹/第2スティント担当

「素直に嬉しいです。僕はこのチームに加入して5年目になりますけど、2020年はコロナ禍の変則スケジュールのなかでランキング2位だったり、昨年もチャンピオンを争いましたけど、正直詰めが甘く部分がありました」

「今年は同じようなミスがないよう、自分たちのベストを尽くすことを心がけていました。どのレースも紙一重でしたけど、良い方向に拾うことができ、その結果シリーズチャンピオンになることができました」

「今日のレースは最後コンディション的に厳しかったです。苦しいレースが多く、プレッシャーを感じていました。それはチーム側も同じで、今日は『1ポイントでも獲ることができれば』という状況でもありました。メカニックもプレッシャーを感じていたと思います。でも、ドライバーやチームのみんなが同じプレッシャーのなか、フォローしあった結果としてシリーズチャンピオンを獲得することができました」

「(今シーズンは)『取りこぼしをしない』ことを自分たちのテーマにしていました。第6戦SUGOでは自分たちの思いどおりだと思っていたら最後に優勝を逃し、でもまさか繰り上がって優勝することができたので、ひとつのポイントだと思いました。そして第7戦オートポリスでも連勝できたことは本当に大きかったです」

「オートポリスでは2号車に速さでは負けていましたが、エンジニアが考えてくれた作戦をうまく進めることができたので、チームの強さでは勝っていたと思います。今年はSUGOとオートポリスで連勝できたことがターニングポイントでした」

チャンピオン会見に出席した吉田広樹(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)

青柳浩監督

「夢にまで見た舞台です。モータースポーツにチャレンジし、難しいなか、スーパーGTに参戦して7年でGT300クラスの頂点に立つことができたことは本当に嬉しく思います。これはすごく光栄なことですし、ディーラーチームが活躍することで、シリーズの盛り上げを補えていければいいなと思います」

「(今シーズンを振り返ると)チームを含めて方向性が変わったのが第6戦のSUGOです。1位を確信しましたけど、最後に18号車(UPGARAGE NSX GT3)に逆転され『天国から地獄』に落ちたあと、『地獄から天国』で優勝することができました」
※編注:第6戦SUGOでは、トップを走行していた52号車がフィニッシュ目前にスローダウンし18号車が優勝するも、レース後車検で18号車が失格となったため、2位チェッカーの52号車が優勝となった。

「それが大きなキッカケになりました。レースで最後まで油断してはいけないなと思い知らされたレースでした」

チャンピオン会見に出席した青柳浩監督(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)
2023年シーズンのチャンピオンに輝いた吉田広樹/青柳浩監督/川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)

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