【インド】石丸製麺、讃岐うどんをインドに初出荷[食品]

製麺業の石丸製麺(香川県高松市)は10月半ば、インド向けに乾麺の讃岐うどんの出荷を始めた。現地の食文化に合った料理を提案し、盛り付けやレシピをパッケージに印刷。10カ国以上で海外展開している実績があり、インド市場では富裕層にターゲットを絞り売り込む。

インドに出荷したのは、国産小麦を100%使用した讃岐うどんと讃岐ラーメン。いずれも1袋300グラム入りで、店頭での販売価格は1袋500ルピー(約900円)に設定した。石丸製麺は4月、日本食の海外プロモーションなどを手がけるラ・ディッタ・シンガポール(La Ditta Singapore)と総代理店契約を締結。ラ・ディッタ・シンガポールのインド法人、スシ・アンド・モア・インディアはインドですしの宅配・テイクアウト専門店「スシ・アンド・モア」を展開しており、商品開発と輸出に当たって助言を得てきた。

第一便は各2,500袋で、今月初旬に南部チェンナイ港に到着する予定。石丸製麺の石丸昌邦営業部長は2日、NNAに対し、「一般消費者向けに高級スーパーに卸すほか、業務用として高級ホテルに入る飲食店にも売り込みをかける」と話す。電子商取引(EC)も活用する計画で、米アマゾン・コムでの展開を検討している。当初は北部デリーと西部ムンバイで販促する。

インドはコールドチェーン(低温物流)が整っていないこともあり、生麺ではなく乾麺が流通している。ただ、低品質の商品は麺がのびやすいといわれ、石丸氏は「日本の高品質の麺が勝負できる余地はある」とみている。調理法もインドの食習慣を調査し、日本のようにスープで食べるよりも、焼うどんや焼きラーメンといった汁なしが受け入れられやすいと判断。現地の日系企業が販売するしょうゆを使ったレシピも発案し、写真とともに商品のパッケージに載せた。

来月1~3日にはムンバイで開催される食の展示会に参加し、手打ちうどんの実演を披露する予定。

インド市場向けに輸出する讃岐うどん(右)と讃岐ラーメン(石丸製麺提供)

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