人質解放ない限り停戦拒否 イスラエル首相、掃討徹底

5日、イスラエル軍の攻撃で炎上するパレスチナ自治区ガザ市(ゲッティ=共同)

 【エルサレム共同】イスラエルのネタニヤフ首相は5日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスが人質を解放しない限り「停戦はない」と改めて明言した。イスラエル軍のガザへの地上侵攻や空爆で民間人犠牲者が増大し国際社会の非難が強まる中、ハマスを徹底的に掃討する考えを強調した。中東メディアによると、ガザ北部や中部で5日、激しい空爆が夜も続き、ガザ全域でインターネットや電話回線が再び断絶した。

 パレスチナ通信は、過去にない規模の空爆で、死傷者が多数出ていると伝えた。北部の密集地ジャバリヤ難民キャンプや、複数の病院付近にも攻撃があった。中東歴訪中のブリンケン米国務長官は同日、訪問先のイラクでガザ情勢に関し、一時的な戦闘中断が「人質解放や支援物資搬入などの進展につながる」と訴え、実現に向け全力で取り組んでいると強調した。

 軍によると、ハマスが10月7日のイスラエルへの奇襲で拘束した人質は240人以上。空軍基地を訪れたネタニヤフ氏は、ハマス掃討以外の「選択肢はない」と語った。

イスラエルのネタニヤフ首相(ロイター=共同)

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