11月11日に奈良タンゴ祭ファイナルコンサート 大和郡山、有終の美飾る特別企画

最終回に初出演がかなったバンドネオン奏者の小松亮太さん(右)とギタリストの福井浩気さん

 国内外のタンゴ楽団が競演するタンゴ音楽の祭典「奈良タンゴ祭」(関西タンゴ祭実行委員会主催)のファイナルコンサート(最終回)が11月11日午後1時30分から、奈良県大和郡山市北郡山町のやまと郡山城ホールで開かれる。2015年から隔年開催されてきたが、開催費がかさみ5回目の今年で最後となる。タンゴの花形楽器バンドネオンの世界的奏者、小松亮太さんが初出演するほか、出演6団体のバンドネオン奏者が共演するバンドネオン6重奏など、主催者は有終の美を飾るに相応しい企画を準備し、タンゴファンや音楽ファンらに来場を呼びかけている。

 同祭は関西在住のタンゴファンの有志が集まり、「近畿のど真ん中でタンゴを」と同ホールで隔年開催を続けてきた。さまざまな個性をもつ楽団が30分程度のライブを順に行うコンサートで、これまで門奈紀生さん(バンドネオン)、小松真知子さん(ピアノ)といった日本タンゴ界を代表する名手や、本場アルゼンチンを含む海外の楽団も招へい。ダンスではなく音楽がメインのタンゴ祭は全国的にも珍しく、遠方からもファンが来場するという。

 ただ近年は物価の上昇で開催費がかさみ、入場料を値上げせざるを得ない状況に。第1〜3回は3500円で鑑賞できたが、2年前の第4回は全席4500円に大幅値上げし、今回は指定席が5000円で自由席が4500円(いずれも前売り価格)。実行委の北村寛代表=橿原市=は「入場料を上げれば続けられるが、安い料金でタンゴを楽しんでもらうという当初の目的を果たせなくなる」として継続を断念したという。実行委も解散するという。

 「これまでお世話になった皆さんに感謝し、今年は恩返しの気持ちでいろいろな企画を考えた」と北村代表。バンドネオン六重奏もその一つで、演奏曲は小松さんがこの企画のために編曲してくれたという。

 6組の音楽グループと、1組のダンスペアが出演する。小松さんはギタリスト福井浩気さんとのデュオで登場し、橿原市出身のバンドネオン奏者北村聡さんが「喜多直毅タンゴ四重奏団」で出演する。海外からは、韓国のバンドネオン奏者コー・サンジさんらのトリオが来日。本場アルゼンチンで活躍した実績をもつタンゴ歌手ロベルト・杉浦さんによる歌もある。

 高校生以下は自由席に限り前売り1500円。指定、自由席とも当日は前売りの500円増し。車いす席9席を無料招待席とし、希望する車いす利用者と付添者を募集中。

 問い合わせは実行委事務局のきたむら・プロジェクト、電話090(4497)0866、Eメールhokusonke@gmail.com

© 株式会社奈良新聞社