「経験生きた」 チームに貢献 加治屋投手の父

2度目の日本一となり、ベンチを飛び出す阪神の加治屋蓮選手(中央)たち=5日、京セラドーム大阪

 県内の阪神ファンも歓喜に沸いた。前回日本一になった1985(昭和60)年からずっと応援してきたという宮崎市淀川、薬剤師吉田博文さん(52)は「底力を見せてくれた。長く悔しい思いをしてきて、やっと祝杯を挙げられる」と喜んだ。
 串間市出身の加治屋蓮投手は第1、2戦で登板した。福島高時代に野球部部長や担任として見守った清水良浩さん(49)は「修学旅行でも就寝前のストレッチをするほど、ぶれずに努力する生徒だった」と振り返る。2020年オフにソフトバンクから戦力外通告を受けた後も阪神で1軍のマウンドに戻り、大舞台で投げる勇姿に「最後まで諦めない姿勢が今も生きている。『よくここまでたどり着いた』と伝えたい」と感慨深そうに語った。
 父親の博樹さん(53)は10月のフェニックスリーグで加治屋投手と会った。「地元のみんなが応援していることを伝えたら『ありがとう、頑張る』と答えていた」という。「ストライクが先行していたので調子がいいと思った。(日本シリーズを)ソフトバンク時代に経験していたことが生きたのかもしれない」と、再びチームの日本一に貢献した息子をたたえた。

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